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【新時代の働き方】ZOZO前澤から学ぶ「妄想からはじめる」力

末永雄大アクシス株式会社代表取締役兼キャリアコンサルタント
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永です。

中途の人材採用支援をしつつ、月20万人以上の読者を持つ転職エージェントが語る「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahoo!ニュース上では2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。

12日、株式会社ZOZOのYahoo!によるTOBの実施、また前澤さんの社長辞任が発表されましたね。突然の発表に日本中が驚きの渦に包まれました。

今回は、そんな世の中の注目の的である前澤さんの、既存の枠組みに囚われない、新時代の働き方を切り口に、時代の変遷によるビジネスパーソンに求められる力の変化についてお話ししていきたいと思います。

ソフトバンク傘下のヤフー(東京都千代田区)は9月12日、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZO(千葉市)に対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ZOZO株式の50.1%の取得を目指すという。また、ZOZO創業者であり筆頭株主の前澤友作氏が現在保有する同社株式は36.7%。このうち30.37%を買い付ける見込み。ZOZO取締役会での賛同決議は済んでおり、資本業務提携契約も締結する。なお、ヤフーは2019年10月1日付で「Zホールディングス」へと社名を変更予定。

出典:ZOZO、「Zホールディングス」に仲間入り 前澤氏は既に辞任「僕自身は新たな道へ」

前澤さんの“新時代”の働き方

前澤さんは起業前、元々メジャーデビューまで果たしたミュージシャン。

ZOZOスーツ、月旅行に100万円当選企画など、経営者としての活躍以上に、その奇抜なアイデアが注目を集めてきました。

本日12日の17時30分から正式会見を行うということでしたが、ツイッター上で「新しい道へ」と発言していたことからも、株式会社ZOZOは上場企業ではありますが前澤さんが筆頭株主ですので、今回の売却で得た資金を元に、株式会社ZOZOの企業理念である「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を」、またご自身が夢として語る「世界平和」に向けて、より大きなアイデアを実行しようとしているのではないかと期待が高まりますね。

前澤さんの“上場企業の経営者”という枠に囚われない振る舞いに賛否両論ありますが、僕自身は、多くのビジネスパーソンにとって彼の“新時代”の働き方から学べるところが多いのではないかと思っています。

それでは、前澤さんの社長辞任のニュースを切り口に、これからの新時代においてビジネスパーソンに求められる力の変化について具体的にお話ししていきたいと思います。

そもそも今はどんな時代か?

さて、「ビジネスパーソンに求められる力の変化」について論じる前に、そもそも今はどのような時代なのかについて、現状把握する必要があります。

様々な捉え方があるとは思いますが、現代の日本のような人口減少の著しく、経済が成熟した社会においては、経済的には、「需要が減り、供給が過多な時代」へと遷移してきたと捉えています。

戦後の高度成長期のような成長市場では、需要が拡大を続けます。そのため、これまでは拡大する需要に応じた供給を行っていけばうまくいく時代でした。

しかし、供給が拡大すると当然競争が生まれます。

すると、競争に伴い各々が凄まじいスピードで改善活動を行い、いわゆるPDCAサイクルを高速で回すようになります。

結果として、ソリューションや問題解決力が高度化。

これは商品・サービスの機能の拡充・高度化へと進みます。

そのため、これまでの時代においてはビジネスパーソンに対してスピーディーな業務処理能力や問題解決力が求められてきたのだと思います。

日本ではこうした機能の拡充を長らく行ってきましたが、高品質な商品が拡充され、人口減少も相まって、需給バランスが歪み、「需要」が減少し、「供給」が過剰化した成熟社会になってきていると感じています。

実際にみなさんが買い物をされる時、「こんな機能、別に必要ないのになあ」と感じたことはないでしょうか。

そんな需要が少なく、供給過多な時代、これが日本の現状ではないでしょうか。

そんな時代に求められる「妄想からはじめる」力

では、需要が少なく、供給過多な時代に求められる力とはどのようなものなのでしょうか?

私は、まさに、佐宗 邦威 氏の著書『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』で語られている、「妄想からはじめる」力ではないかと考えています。

これはどんな力かというと、自身の「内発的動機」をもとに、自由に「妄想」「ビジョン」を思い描くことから始める力のことです。

そしてその後に、以前より重要視されていた市場ニーズの把握や戦略立案、デザイン力などを用いて独自性を生みアウトプットする力を掛け合わせて新たな価値を生み出します。

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』や『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』などでもこれに類似した力の必要性が語られています。

なぜこの「妄想からはじめる」力が求められているのかというと、この力は、課題を「発見」し、新しい「価値」を生み出すことに繋がるからです。

というのも、先程述べたように、現在は供給過多な時代。

そのような時代では、既にある課題を「改善」する力は熟達しています。そのため、既にある課題の「改善」する事はお腹いっぱいな状態であり、課題の少ない現代において、新たな課題を「発見」する力が求められるようにパラダイムシフトしているのです。

無制限の妄想が新しい「価値」を生む

以前のような、ビジネス場面では論理やデータばかりが必要だという時代は変わってきています。もちろん論理やデータは、妄想の裏付けのためのファクトとして重要になりますが、まずは無制限に妄想することから始めてみてはいかがでしょうか?

本日の会見でも、前澤さんはまた新しい「価値」を生み出す一歩を発表されるのではないかと思っています。

ぜひ、前澤さんのように無制限に夢を描き、あなた自身も新しい「価値」を生み出してみてはいかがでしょうか。

アクシス株式会社代表取締役兼キャリアコンサルタント

青山学院大学法学部卒。新卒でリクルートキャリア(旧リクルートエージェント)入社。 リクルーティングアドバイザーとして様々な業界・企業の採用支援に携わる。東京市場開発部・京都支社にて事業部MVP/西日本エリアマーケットMVP等6回受賞。その後サイバーエージェントにてアカウントプランナーとして最大手クライアントを担当し、 インターネットを活用した集客支援を行う。2011年にヘッドハンター・キャリアコンサルタントとして独立。2012年アクシス株式会社を設立。代表取締役に就任。キャリアコンサルタントとして転職支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発や社外での講演活動等、多岐にわたり活躍する。

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