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東京開催は、世界が元気になる証!〜パラ水泳、東京パラリンピック1年前会見で、選手ら想いをあらたに〜

佐々木延江国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表
1年前記者会見、当日の写真 写真・日本身体障がい者水泳連盟

 8月22日、コロナ禍で延期となった東京パラリンピック。競泳日本代表を含む、日本身体障がい者水泳連盟による1年前記者会見が、オンラインで開催され選手らがメッセージを発信した。

 選手たちは今年4月の緊急事態宣言より練習活動が停止。地元へ戻ったり、自宅で工夫した練習を行ってきた。ついに7月より合宿がスタート。今後は月1回で代表強化が行われる。11月には知的障害の短水路大会も計画されている。

木村敬一はトレーニング地アメリカから帰国、現在は東京で練習

 東京パラ日本代表内定の木村敬一(東京ガス)は、トレーニング地のアメリカから帰国、現在は東京で練習している。

 「アメリカに戻れる段階になったら戻って練習します。(合宿地に)戻れるということは、東京でパラリンピックができるということとイコールだと考えています。東京開催なので、練習環境としても日本のほうが充実しているし、プラスになると思うのでいまを生かさない手はない。

 (来年のパラリンピックは)どのような形の開催かは正直不透明ですが、上垣監督が言うように、いつパラリンピックがやってきてもいいように備える、ということだと思います。

 (2020東京は)日本で開催される特別なイベント。開催できるとなったとき、それは、世界中が元気になろうとしているという証だと思います。世界を動かしていくことが、自分の国でできる。世界にむけて、元気な社会への第一歩が示せるような大会にしたいと思います。

 東京は、世界から評価されている、憧れをもってもらえる都市です。今こういう状況だとしても(アメリカの友人も)そう思ってくれている。一人の日本人としては、外国人をホストする立場だと思う。良い立場だ。日本中の人たちが、(元気な社会への)きっかけをつくれる東京パラになればいいと思います」

 オンライン記者会見には木村のほか、同じく代表内定の知的障害の東海林大(三菱商事)山口尚秀(四国ガス)に加えて、世界選手権で銀メダル2つ獲得で日本に出場枠をもたらしたキャプテン鈴木孝幸(ゴールドウィン)、世界選手権初出場で銀メダル2の富田宇宙(日体大大学院)、上垣匠(身体)監督と、谷口裕美子(知的)コーチが出席。また鈴木は1日前に練習地に戻り、ニューカッスル(イギリス)からの出席となった。

パラ水泳1年前オンライン記者会見 写真提供・日本身体障がい者水泳連盟
パラ水泳1年前オンライン記者会見 写真提供・日本身体障がい者水泳連盟

 昨年ロンドンで世界記録を更新した知的障害の東海林大と山口尚秀の2人も健在だ。

 100m平泳ぎS14で電撃デビューを果たした山口は、

 「延期になってから気持ちが遠くなったりすることもある。その分、東京大会にむけて今できることは何か。一つひとつこなしていく。

 東京大会は僕ら代表にとっては自国開催になるので、これまでとは違う姿勢になると思う。自分がめざす金メダル、保持している世界記録を更新していくことが目標。

 新しい東京アクアティクスセンターで、パフォーマンスを発揮していくためには、アクアティクセンターの環境や設備をしっかり研究して本番においてのイメージをつかんでいくということが、最大の課題点であると思います」と語った。

 東海林は「1年延期になったことで、目標がちょっとと遠ざかったこともありますが、逆に、いいところはいっぱいあるのかなと思います。

自分の足りないメンタルとか、基礎体力を補える時間が増えたので、初出場となる東京パラリンピックに楽しんでいけたらとおもう。初めての平和の祭典を楽しめたらと思います。一つひとつの練習をチャンスに代える練習ができたらいい」と話していた。

 今年3月にキャンセルされた代表選手の選考会(静岡県)が、来年5月21〜23日に横浜国際プールで開催されるジャパンパラ水泳競技大会で行われることが決まった。本番のパラリンピックは、その3ヶ月後の2021年8月24日に開幕、競泳は8月25から10日間の日程で開催される。

国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

パラスポーツを伝えるファンのメディア「パラフォト」(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)代表。2000年シドニー大会から夏・冬のパラリンピックをNPOメディアのチームで取材。パラアスリートの感性や現地観戦・交流によるインスピレーションでパラスポーツの街づくりが進むことを願っている。

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