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金メダリスト・池透暢が2020年に向け米国リーグで挑戦!記者会見を開催

佐々木延江国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

 10月24日午後、都内で、金メダリスト、ウィルチェアーラグビー日本代表・池透暢(日興アセットマネジメント)が「2020年に向けて~世界選手権優勝と米国リーグ挑戦~」と題して、記者会見を行った。

 この8月の世界選手権で地元開催のオーストラリアを1点差で破って金メダルを獲得したウィルチェアーラグビー日本代表キャプテンは、2020までの勝負となる2年にむけ最後の準備に向かい始めた。

 池は来月11月から来年4月までアメリカ・アラバマ州レイクショアで活動するディビジョン2のチームに加わり、現在アメリカ・リーグ最下位のチームをディビジョン1(上位8位まで)に引き上げ3月の全米大会を戦うことが目標だという。

「チームをディビジョン2で1位にし、ディビジョン1でプレーする。(すでにディビジョン1のチームにいる池崎らと)日本人選手同士で戦えるようにしたい」と池はイメージを語る。

 レイクショアはアメリカの中でももっともよい環境で練習ができるという。日本代表チームメンバーも行ったことがあり、さまざまな競技でナショナルチームの合宿が行われているようだ。「みんなもレイクショアはいいね、と言ってくれます」と話す。ラグビーだけでなく、自身がボランティアとなり、さまざまなスポーツを体験することも考えているようだ。

 池のアメリカ行きは世界選手権の前から決まっていた。金メダリストとなった池がアメリカチームに加わることに、現地では非常に興奮をもって受け止めているという。

 食事や滞在の費用はどうなっているのか?との質問には以下のように話していた。

 「食事が一番心配なところなんです。コテージがとれたら、スーパーで買い物して自炊をしたい。そうじゃない場合は近所のカフェなどになる予定です。現地までの費用は会社が、現地での滞在・移動の費用はチームが持ってくれることになっています」

 そんな池の渡米の真の目的は自身の成長にある。その成長とは、

 「コミュニケーション能力をあげて、キャプテンとして成長して日本代表に帰りたい。2020の金メダルに向け今はまだ65パーセント程度の完成度。現状では海外チームに追い越される。ウィルチェアーラグビーの世界レベルはスピードをもって上がっている。フランスを含むどの国がトップになってもおかしくはない。今を超える力をつけないと、2020での日本の金メダルはないだろう」とキャプテン、池は語った。

パラスポーツをテーマにするマスメディアを味方に

 この日会場に集まったのは、インタビュアーを務めたアナウンサーの久下真以子氏をはじめ、先日、インドネシアで閉幕したばかりのアジアパラ競技大会を取材したマスメディアの記者たちが多く見受けられた。2020東京パラリンピックを前に、パラスポーツをテーマとして継続した取材をする報道陣が増えている。

 会見に先立ち2020東京パラリンピックの競技スケジュールが発表されたところによると、これまでのパラリンピックの日程では後半で行われていたウィルチェアーラグビーは大会初日から開催される予定となっている。このことについての感想を問う質問があった。

「その質問がメディアから多くプレッシャーをかけてくれている。期待に応え金メダルで勢いをつけたいが、期待通りにいかなかったとしても、そのための努力が実る試合をする」と、2020東京での試合にむけた現在の気がまえを語ってくれた。

国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

パラスポーツを伝えるファンのメディア「パラフォト」(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)代表。2000年シドニー大会から夏・冬のパラリンピックをNPOメディアのチームで取材。パラアスリートの感性や現地観戦・交流によるインスピレーションでパラスポーツの街づくりが進むことを願っている。

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