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SpotifyのID/PWを含んだ72GBのDBが発見された。30~35万ユーザに影響か。

大元隆志CISOアドバイザー
何者かが収集したSpotifyのID/PWを含んだデータベースが発見された(写真:Panther Media/アフロイメージマート)

 vpnMentorの調査チームが、SpotifyのID/PWを含む72GBのElasticsearchデータベースがインターネット上に公開されているのを発見した。本インシデントはSpotify自身が漏洩したのではなく、第三者が収集していた情報を公開したと見られている。

■インシデントの概要

 vpnMentorの報告によれば、今回発見されたインシデントの概要は以下の通り。

 ・対象企業:Spotify

 ・発見日:2020年7月3日(7月9日レビュー)

 ・Spotifyへの連絡日:2020年7月9日

 ・Spotifyからの回答日:2020年7月9日

 ・対応:7月10日から7月21日の間にローリングリセット実施

 ・業界:音楽ストリーミングとメディア

 ・発見されたデータ量:72 GB、3億8000万件以上のレコード

 ・ID/PWの漏洩が疑われるユーザ数:300,000~350,000

 ・公開されたデータの種類:メールアドレス、個人情報、居住国情報、ログイン資格情報(ID/Password)

 ・データストレージ形式:オープンで暗号化されていないElasticsearchサーバー。公開されたMySQLサーバー

■Spotifyの対応

 vpnMentorがデータベースを発見し、Spotifyに報告したとろ翌日には影響を受けるすべてのユーザーのパスワードについて「ローリングパスワードリセット」を開始した。この対応速度は素晴らしい。これにより影響を受けると推測されたユーザのパスワードは順次リセットされたため、Spotifyプラットフォームにおいては、漏洩したID/Passwordは意味を成さなくなった可能性が高い。

 しかし、Spotifyのパスワードを他サービスでも使いまわしていたとすれば、他のサービスに不正にログインされる可能性がある。もし、Spotifyからパスワードリセットに関する案内が届いた場合は早急に対応し、パスワードを他でも使いまわしていた場合には、そちらもパスワードを変更することを推奨する。

CISOアドバイザー

通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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