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MS365サービス障害発生。Teams、Outlook等がアクセス不能な状態に。

大元隆志CISOアドバイザー
MS365のサービス障害をアナウンスする、MS365サービスヘルスステータス

MS365にて大規模な障害が発生しており、現在MS365を利用した認証や、Teams、Outlook等の利用が出来ない状態が続いている。

MS365のサービスヘルスステータスでも障害がアナウンスされている。

2020年9月29日09:20分、現時点での復旧の目処はたっていない。

タイトル:Microsoft 365サービスにアクセスできませんユーザーへの影響:ユーザーは複数のMicrosoft365サービスにアクセスできない場合があります。詳細:ユーザーは、Outlook.com、Teams LiveEventsを含むMicrosoftTeams、およびOffice.comにアクセスできなくなります。さらに、Power PlatformおよびDynamics365プロパティは、このインシデントの影響を受けます。既存の顧客セッションは影響を受けず、既存のセッションにログインしているすべてのユーザーがセッションを続行できます。現在のステータス:インフラストラクチャの特定の部分が認証リクエストをタイムリーに処理していないと判断しました。この問題の緩和策を講じています。並行して、影響を受けるユーザーをさらに救済するために、トラフィックを代替システムに再ルーティングしています。影響の範囲:すべてのユーザーがMicrosoft365サービスのアクセスの問題を経験する可能性があります。

出典:Microsoft365サービスのヘルスステータス

■ロールバックを実施したが、原因復旧せず

MS365公式Twitterによると、以下の経緯でトラブル対応にあたっているが、現状調査中であり、復旧の目処はたっていない。

1) 2時間前にサービス障害を検出し調査を開始。

2) MO222965として本障害を記録

3) 問題の原因と思われる最近の変更を特定し、影響を軽減するために、ロールバックを実施

4) 変更をロールバックした後、成功した接続の増加は観察されていない。

  根本原因を調査しながら、追加の緩和ソリューションの評価に取り組み中。

5) ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、トラフィックを代替インフラストラクチャに再ルーティング中

■クラウドサービスの可用性が、10大脅威に

IPAが毎年発表している、10大脅威の2020年版では、「予期せぬIT基盤の障害に伴う業務停止」が6位にランクインしている。これは、昨年AWSやMS365の通信障害が相次いだため問題視されたもの。

これまでクラウドサービスと言えば、可用性は高いものとされていたが、昨今丸一日停止することも珍しくない状態となっている。大手メーカーだから安心等と思わずに、クラウドサービスが停止した際のBCP対策も重要な要素となっている。

CISOアドバイザー

通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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