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長友佑都とクロアチアの対戦に注目の伊紙、インテル元同僚に警告 「ユウトと日本を軽んじるな」

中村大晃カルチョ・ライター
2022年12月4日、カタールW杯クロアチア戦の前日会見での長友佑都(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

長友佑都の「ブラボー」連発映像は、クロアチア陣営にも届いてるのだろうか。もしもそうなら、インテル時代のチームメートたちは、それをどのように受け止めたのだろう。

12月5日のカタール・ワールドカップ(W杯)で、日本代表はクロアチア代表と対戦する。勝てば日本史上初のベスト8進出。新たな歴史の誕生となる。

クロアチアには、長友がインテルで一緒にプレーした選手たちがいる。中でもセリエAで一時期ともに戦ったのが、マルセロ・ブロゾビッチ、マテオ・コバチッチ、イヴァン・ペリシッチの3人だ。現在コバチッチはチェルシー、ペリシッチはトッテナムに在籍。ブロゾビッチは今もインテルの主力だ。

長友は2010-11シーズンからイタリアに渡り、チェゼーナを経て、2011年1月にインテル移籍。2017-18シーズン途中まで7年、イタリアの名門で戦い続けた。公式戦210試合に出場し、11ゴールをマークしている。

カタールの地で彼らが再会するとあり、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は12月4日、長友を中心に両国の対戦に関する記事を報じた。

インテル時代、長友がそのキャラクターで多くの人に愛されたのは有名だ。マルコ・マテラッツィやアントニオ・カッサーノなど、強烈な個性のワールドクラスと交流を深められる日本人選手は多くないだろう。ヴェスレイ・スナイデルとの友情もよく知られている。彼はインテル退団後、長友をキャプテンに推薦したこともあるほどだ。

『Gazzetta dello Sport』紙も、長友は「ロッカールームで最も愛された選手のひとり」と伝えている。

「チームメートから敬意を払われるとともに、からかわずにいられない存在でもあった」

「ナガトモという人は、全員に好かれ、だが唯一無二の敬意をもって扱われる」

ペリシッチが長友をいじった過去もある。2017年10月、ミラノダービーで3-2と勝利した試合後、ペリシッチは長友が履いていた5本指のソックスの画像をインスタグラムに投稿。「パスを全部ミスするのも当然だ」と冗談を飛ばした。良好な関係だからこそのジョークだろう。

だがもちろん、長友がインテルで一定の地位を築けたのは、愛されキャラだったからだけではない。

『Gazzetta dello Sport』紙は「仕事や練習、専念すべきときになれば、彼はいつも先頭に立っていた」と、長友を称賛。アルバロ・ペレイラ、ディエゴ・ラクサール、ドロー、アレックス・テレス、ジャネル・エルキンなど、数々の選手とのポジション争いを最後には制したと振り返っている。

「継続的に新しい左サイドバックのレギュラー候補がやってきたが、誰もが彼の後塵を拝すことになった。インテルで210試合出場は、偶然ではない」

ペリシッチと一緒に戦ったのは51試合。コバチッチとは49試合、ブロゾビッチとは48試合だ。同紙はこれが「継続性を示すもうひとつの証拠」だとした。

「時にその存在を軽んじられ、当たり前とされながら、いつも彼はいた」

なお、長友の出場試合数はインテル歴代55位。背番号と同じ数字だ(ラウタロ・マルティネスがあと9試合で更新)。『Gazzetta dello Sport』紙は長友を「クラブ史で最も有名な55番」と評している。

インテル時代の奮闘が示すように、そして本人も口にしているように、長友は逆境を成長の糧としてきた。だからこそ、同紙は「月曜の夜はナガトモと日本をバカにしないほうが良いだろう」と、クロアチアに警鐘を鳴らしている。

もちろん、ドイツとスペインを撃破したとはいえ、前回の準優勝チームが相手だけに、日本不利の見方は少なくない。『Gazzetta dello Sport』紙も、クロアチア戦が長友にとって「ワールドカップでのラストゲームになるかもしれない」と報じた。

だが、彼らは「あまりにも笑顔でナガトモを受け止めることがない限り…」ともつけ加えている。

試合後、長友のほうが笑顔で「ブラボー」と叫べることを願うばかりだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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