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「マラドーナは不滅」 レジェンド死去にナポリ涙、カルチョ界が追悼 「太陽ある限り、光り輝く」

中村大晃カルチョ・ライター
11月25日、マラドーナの訃報を受け、街で追悼するファンが持つプラカード(写真:ロイター/アフロ)

2020年11月25日、ディエゴ・アルマンド・マラドーナ氏の死去が世界で報じられた。

サッカー界のレジェンドの偉業は、紹介するまでもない。各メディアも報じている。ここでは、イタリアサッカー界の反応をご紹介したい。

マラドーナは1980年代から7年にわたってナポリでプレーし、2度のセリエA優勝に導いた。ナポリが優勝したのはマラドーナ時代のこの2回のみ。背番号10は永久欠番となっている。

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙電子版は、訃報を知らせる記事に「ADD10 MARADONA」という見出しをつけた。「ADDIO(さようなら)」の「io」と「10」をもじったものだ。同じくスペイン語の「ADIOS」とかけた「AD10S」はツイッターでトレンド入りしている。

ナポリの街は悲しみにくれ、本拠地サン・パオロには英雄のために多くの人が集まった。スタジアムは夜通しライトアップされているという。

ナポリやその選手、またセリエAのライバルクラブやレジェンドたちからは、マラドーナをたたえるメッセージが寄せられた。以下、拙訳で恐縮だがご紹介する。

◆SSCナポリ

「永遠に」

「誰もが私たちの言葉を待っています。でも、今の私たちが感じるつらさに、どのような言葉があるでしょうか?今は涙を流す時です。話すのはそれからでしょう」

「私はマラドーナを見た」

「レジェンドは不滅」

◆アウレリオ・デ・ラウレンティス(ナポリ会長)

「親愛なるディエゴ。ナポリの人々の誇りでした。世界のサッカーにおいてたどり着くことのできないスターでした。愛、喜び、情熱、そして芸術でした。太陽がある限り、あなたは光り輝くでしょう。私たちの心は、あなたの天賦の才の光に照らされていきます」

◆ルイージ・デ・マジーストリス(ナポリ市長)

「サン・パオロ・スタジアムの名前をディエゴ・アルマンド・マラドーナにしよう!」

◆ロレンツォ・インシーニェ

「僕たちが愛するナポリに来た初日から、あなたは生まれついてのナポリ人になりました。あなたはあなたの人々のためにすべてを尽くし、この土地を守り、愛してくれました。僕たちに喜びを、笑顔を、トロフィーを、愛を与えてくれました」

「僕はあなたの試合を無限に見て、見直しながら、あなたのことを家族から聞いて育ちました。あなたは歴代最高の選手でした。あなたは『オレたちのディエゴ』でした」

「僕は幸運にもあなたに会い、話し、知り合うことができました。足が震えたのは否定できません。あなたはいつも僕に素晴らしい言葉をかけてくれました。励みになる言葉で、決して忘れません。ずっと自分の中にとどめていきます」

「サポーターとして、ナポリ人として、サッカー選手として、すべてに感謝しています。僕たちは、永遠にあなたを愛していきます」

◆ドリース・メルテンス

「ナポリと契約した時に最初に思ったのが、あなたのことでした。これからは、青いユニフォームを着ることにさらなる意味を感じます。今日、ナポリはその魂の一部を失いました。あなたは僕たち全員のインスピレーションでした。そして、永遠にそうあり続けます」

「あなたの名前の隣に僕の名前があったら謝ります(注:クラブ得点ランキング)。僕があなたのレベルにたどり着くことはありません。あなたが『僕たちの』街のためにしたことは、永遠に歴史に残ります。あなたとお会いできて光栄でした。永遠に僕のアイドルです」

◆カリドゥ・クリバリ

「決して忘れない言葉をかけてくれました。今、自分の頭にある言葉はひとつだけです。ありがとう。すべてに対して。永遠に」

◆ファビオ・カンナヴァーロ

「ディエゴ、良い旅を」

◆マレク・ハムシク(インスタグラムから)

「明日、11月26日、20時45分に、ナポリはディエゴ・アルマンド・マラドーナを思い出す。試合前、D10Sのために窓際で光とロウソクを灯そう。そして21時、1分間の黙とう後、ナポリのあらゆる窓から、街の歴史で最も大きな拍手を送ろう。僕たちが決して彼のことを忘れず、ディエゴが僕たちの最も愛した息子であり兄弟であることを世界に示すために、ディエゴの名前を叫ぼう。ナポリのすべての人にシェアしてくれ。フォルツァ(頑張れ)、ディエゴ。永遠に!」

◆ユヴェントス(1985年の対戦時に決められたゴールシーン動画)

◆インテル

「各時代に偉大な背番号10がいました。そして、各時代を代表する背番号10がいました。マラドーナはこの上なく偉大な対戦相手というだけではなく、最も偉大な相手でした」

◆ミラン

「さようなら。永遠のカンピオーネ。ありがとう。サッカーを愛する我々全員より」

「あなたと対戦できたことは光栄です」

◆ローマ

「世界のサッカー界の永遠のレジェンド」

◆ラツィオ

「カンピオーネ。複数世代のアイドル。カルチョの永遠なるインスピレーション。我々の家に来てくれて、ありがとう。光栄でした。決してあなたを忘れません」

◆トリノ

「あなたのサッカーは詩でした。良い旅を」

◆フィオレンティーナ

「永遠にサッカー界の歴史に」

◆カルロ・アンチェロッティ

「あなたは常に天才でした。今日はとても悲しい日です。大変な損失です。でも、私の友であるあなたは永遠です」

◆フランコ・バレージ

「心が泣いています。あなたと対戦できたことは光栄です。素晴らしい心の持ち主でした。あなたは永遠に魔法をかけ、喜びと感動を贈り続けるでしょう」

◆ロベルト・マンチーニ

「私はマラドーナを見た。さようなら、永遠のディエゴ」

◆マルコ・タルデッリ

「あなたはずっと私たちとともにいる。永遠に、真の友たちに囲まれて」

◆シルヴィオ・ベルルスコーニ

「人生において偉大なるカンピオーネ、ピッチでとても素晴らしい対戦相手。マラドーナは私たちにサッカーのシンボルとバンディエーラ(旗)を残してくれました。深く悲しんでいます」

◆フランチェスコ・トッティ

「あなたはサッカーの歴史を記しました」

◆アンドレア・ピルロ

「サッカーの神が亡くなった。すべてに感謝」

◆パオロ・マルディーニ(インスタグラムから)

「チャオ、偉大なるディエゴ。あなたはずっと自分にとってのヒーローです」

◆ハビエル・サネッティ(インスタグラムから)

「この写真を選んだのは、フットボルのピッチであなたと一緒に分かち合った日の幸せを表すからです。サッカーのために、ありがとうございました!私たちにプレゼントしてくれたすべてに感謝しています」

◆アレッサンドロ・デル・ピエーロ(インスタグラムから。マラドーナの言葉を回想)

「白い服を着た結婚式で、泥まみれのボールが来たら、オレは迷うことなく胸で受け止める」

◆ジャンルイジ・ブッフォン(インスタグラムから)

「あの日、僕たち全員があなたの話に耳を傾け、あなたのリーダーシップに先導されました」

「比類なき限りない才能に、そのカリスマ性が合わさって、あなたはつねに脚光を浴びました」

「すべての、全員の中心でした。ピッチであなたのプレーと格に頼っていたチームメートたちや、大変な美の前には無力で、だが同時に唯一無二のものを目にしているとも自覚していた対戦相手たちの中心でした」

「ディエゴ、さみしくなります。あなたが感動させたすべての人が、あなたを恋しく思うでしょう。サッカーが、恋しく思うことでしょう。あなたの魔法を見て、僕たちはピッチであなたの功績を追い求めたいと夢を見ました。その私たちも、あなたが恋しくなります。ありがとうございました」

◆フィリッポ・インザーギ(インスタグラムから)

「サッカーを愛するすべての人にとって、あなたは不滅であり続けます。すべてに感謝しています」

◆ズラタン・イブラヒモビッチ(インスタグラムから)

「マラドーナは死んでいない。彼は不滅だ。神は、歴代最高の才能を持った選手を世界に与えた。彼は永遠にいつまでも生き続ける」

◆フランク・リベリ

「サッカーの真のレジェンドを失った知らせを聞くなんて。でも、レジェンドは決して死なない」

心よりご冥福をお祈りいたします。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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