セリエAの春を彩る青と黒、大都市クラブとCL争う地方の雄アタランタ

3月31日、パルマ戦で得点を喜ぶドゥバン・サパタ。アタランタをCLに導けるか?(写真:Maurizio Borsari/アフロ)

夏のショックは秋まで引きずった。だが、冬を乗り越えて迎えた春は、希望に満ちている。

ユヴェントスの8連覇が迫るセリエAで注目されるのが、チャンピオンズリーグ(CL)出場権争いだ。王者と2位ナポリの出場はほぼ確実だが、残る2枠を巡り、3位インテルから9位サンプドリアまで、勝ち点12差の中に7チームがひしめく。

かつてのセリエ黄金期のように、「セブンシスターズ」と評す声もある7チームのレースだが、特に好調を維持しているのが、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督率いるアタランタだ。

◆出だし低調も復活

ガスペリーニの就任以降、2シーズン連続で欧州への切符を手にするなど、近年のアタランタは躍進を遂げてきた。ただ、今季はヨーロッパリーグ(EL)予選でプレーオフ敗退に終わり、本大会に進むことができず。リーグ戦でも10月途中に17位まで転落した

だが、その後復調を遂げると、徐々に順位も回復。ELどころかCL出場権も争うほどに上昇した。慎重な姿勢を崩さなかったガスペリーニも、4月13日付『コッリエレ・デッロ・スポルト』のインタビューで、3カ月前と違い、CL出場を争わなければいけないと述べている。

2019年に入り、31節までの12試合で、アタランタは7勝をマーク。6勝のミラン、ローマ、トリノ、5勝のインテル、ラツィオ、サンプドリアを上回る。勝ち点24はユヴェントス(31)に次ぐ2位だ。

そのほか、『ガゼッタ』によれば、ゴール数も25得点とユーヴェ(26)に続く2位。枠内シュート(71本)やポゼッション(60.7%)でも、アタランタを上回るのはナポリ(79本/61.8%)しかいない。

つまり、アタランタは上位2チームに続くだけの数字を残しているのだ。

◆エースのインザーギ超えに期待

守備で41失点(平均1.322)と、「セブンシスターズ」でワースト2位タイのアタランタだが、後半戦に限れば14失点(平均1.166)と改善されている。『ガゼッタ』は、許したシュート118本が、2019年のリーグ最少(32節除く)と伝えた。

ただ、やはりアタランタ最大の魅力は、ユーヴェ(65)に次ぐ64得点をマークしている攻撃だろう。創造性や技術が魅力のアレハンドロ・ゴメスやヨシップ・イリチッチに加え、今季は強靭なフィジカルを誇るパワフルなドゥバン・サパタが加わった

12月から1月にかけての2カ月で、リーグ戦8試合連続14ゴールをたたき出したコロンビア代表は、現在20ゴール。ファビオ・クアリアレッラ(22)、クシシュトフ・ピオンテク(21)、クリスティアーノ・ロナウド(19)と得点王のタイトルを争っている

15日付『ガゼッタ』によると、20得点はアタランタ歴代3位タイの数字だ。クラブレコードは、あのフィリッポ・インザーギが得点王となった1996-97シーズンにマークした24得点。今季のサパタはリーグで114分ごとにネットを揺らしており、このペースならインザーギ超えも可能だ。

◆残り日程は厳しいが希望も

もちろん、CLへの道のりにおいて、アタランタがダークホースであることは否めない。残り7試合の中でナポリ、ラツィオ、ユヴェントスとのアウェーゲームを残しており、日程も味方しているとは言えないだろう。ただ、『ガゼッタ』が指摘するように、今季のアタランタはアウェーで強い

ホームでは7勝4分け4敗の勝ち点25(29得点、17失点)だが、アウェーでは8勝3分け5敗の勝ち点27(35得点、24失点)とリーグ3位の成績。ミラン、ローマ、インテルとは、アウェーでいずれも引き分けている

裏を返せば、強豪相手でもアウェーで結果を残せれば、あとはホームでの4試合でしっかりポイントを稼げるかがカギになるというわけだ。その意味でも、15日のエンポリ戦は、残留を争う“格下”が相手とはいえ、重要な一戦となる。

◆二度あることは三度ある?

9日付『ガゼッタ』は、アタランタのサポーターを期待させるデータを紹介している。ガスペリーニ就任からの2シーズンで、3月から閉幕までの間、リーグ有数の成績を残しているというものだ。

2016-17シーズンは勝ち点21で、ナポリ、ローマ、ユヴェントスに続く4位だった。昨季は同22でユーヴェやローマに続き、フィオレンティーナ、ナポリと並ぶ3位タイ。そして今季もここまで、ユーヴェに次ぐ2位の勝ち点14を挙げてきた。

このままポイントを積み重ね、過去2年のような春を過ごし、夏に見たことのない景色を見ることができるのか。アタランタとガスペリーニのラストスパートに注目だ。