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「セクシー・ママ」も人気急騰! セリエAでブレイクのザニオーロ、母親が芸能界入り?

中村大晃カルチョ・ライター
2018年12月29日、セリエAのパルマ戦でのザニオーロ(写真:Maurizio Borsari/アフロ)

わずか半年前までは、無名の存在だった。だが、今では欧州の強豪が熱い視線を送る時の人だ。

若手が重用されないとの批判も少なくないセリエAで、今季ブレイクしたのが、ローマのニコロ・ザニオーロだ。インテルに移籍したラジャ・ナインゴランと入れ替わるかたちでイタリアの首都にやって来た19歳は、シンデレラストーリーと呼ぶにふさわしい出世街道を歩んでいる。

◆デビュー前に代表招集、初戦はレアル・マドリー

ザニオーロの名前が知られるようになったのは、9月のインターナショナルウィークでロベルト・マンチーニ監督がイタリア代表に招集したからだ。史上4人目となるセリエAデビューを果たす前のA代表招集だった。

サプライズは止まらない。同じ9月に訪れたデビュー戦は、チャンピオンズリーグのレアル・マドリー戦だった。セリエAでもプレーしたことのない19歳が、あのサンチャゴ・ベルナベウで、しかもスタメン出場を果たしたのだ。

試合には敗れたが、3連覇中の欧州王者を相手にトップレベルでのキャリアをスタートさせたザニオーロは、9月中にセリエAデビューも果たすと、その後も出場機会を増やしていった。

◆止まらない大物たちとの比較

12月に初ゴールを挙げたザニオーロは、1月19日のトリノ戦でも2点目となる先制点をはじめ、勝利に貢献する見事なパフォーマンスで賛辞を浴びた。

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のアンドレア・ディ・カーロ記者は、「カカーやジネディーヌ・ジダンを思い起こさせる」と称賛。エンリコ・マイーダ記者は『Calciomercato.com』で「すでにトッティの後継者」と、ローマのレジェンドであるフランチェスコ・トッティの名前も出して絶賛している。

現在のように才能を開花させる前から、インテルのユースで指導したステーファノ・ヴェッキは、ザニオーロがフランク・ランパードやスティーブン・ジェラードのようになれると評した。そのほか、ポール・ポグバらと比較する声も後を絶たない。

◆母親が芸能界入りを示唆?

ザニオーロは現在、父親や妹と離れ、母フランチェスカさんとローマで暮らしている。練習場までの車の“運転手”はフランチェスカさんだ。

41歳と若く、抜群の美貌とプロポーションを誇るフランチェスカさんも、脚光を浴びている。水着姿も惜しまないセルフィーの数々で、インスタグラムが「セクシー・マンマ」と評判なのだ。「ファンタスティック」「バロンドールに値する」など、続々と賛辞が寄せられ、フォロワー数を増やしている。

ただ、『Secolo XIX』のインタビューでの発言に、一部のファンは不安を覚えている。

フランチェスカさんは「息子が第一」で、SNS投稿は「写真を撮ることやスポーツが好きで、体型をケアしている」からとしつつ、テレビ出演について質問されると、サッカー関連の番組には出ないが「グランデ・フラテッロみたいなリアリティ番組に呼ばれればイエス」と答えた。

このコメントを受け、ファンからは「出演したら息子が台無し」「息子の知名度を利用したいのか。母親がすべきことじゃない」「母親のことを心配しなければいけなくなったら、ザニオーロにとっては終わりの始まりだ」と、批判の声が上がっている。

だが、『ガゼッタ』は、フランチェスカさんの発言は冗談に過ぎないと報道。将来的には分からないとしつつ、フランチェスカさんはザニオーロの邪魔になることを望んでおらず、少なくとも当面は芸能界入りを考えていないと伝えた。

◆天狗にならない19歳への期待

『ガゼッタ』の見方どおりであれば、ファンはひと安心だ。才能に疑いの余地はない。だが、サッカー界は浮き沈みの激しい世界だけに、家族には陰で本人をサポートするように願っているだろう。

幸い、本人は地に足をしっかりとつけているようだ。『ガゼッタ』によると、トリノ戦の翌日の練習が休みだったこともあり、試合後にクラブへ遊びに出かけたザニオーロだが、声をかけてくるファンたちに「自分はまだまだ」と謙虚に返していたという。

元サッカー選手の父イゴールもまた、「道のりは長い」と話している。本人も家族も周囲の熱に浮かれなければ、ザニオーロはきっとイタリアの将来を担う存在となっていくはずだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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