C・ロナウド超えの10戦連続フル出場、評価急上昇の21歳に続々賛辞 「セリエの新星」

10月6日、セリエAウディネーゼ戦で得点を喜ぶベンタンクールとC・ロナウド(写真:Maurizio Borsari/アフロ)

当初は中盤の5番手だった。だが、クリスティアーノ・ロナウドの前に飛び込み、豪快なヘディングを叩き込んだウディネーゼ戦が、キャリアにおける大きなターニングポイントとなるかもしれない。

ユヴェントスのウルグアイ代表MFロドリゴ・ベンタンクールが絶好調だ。セリエA前節フィオレンティーナ戦では、冒頭のウディネーゼ戦に続く今季2点目となるゴールで均衡を破り、3-0の快勝に貢献した。

◆ここ10戦はチーム最長のプレー

10月6日のウディネーゼ戦から2カ月。ベンタンクールは公式戦10試合で連続フル出場している。フィオレンティーナ戦でC・ロナウドが初めて途中交代したため、チームで唯一の10戦フル出場だ。この2カ月、ベンタンクールは新エースをも上回り、チームで最も長くプレーしたのである。

ベンタンクールの成長とマッシミリアーノ・アッレグリ監督の信頼は、数字に表れている。『スカイ・スポーツ』によると、昨季のベンタンクールは25試合に出場し、857分のプレーだった。得点はなし。だが、今季は15試合に出場し、プレー時間はすでに1098分と大台を突破。2得点を挙げている。

2年目となる今季、ベンタンクールは厳しいポジション争いにあった。絶対の司令塔ミラレム・ピアニッチと、その脇を固めるブレーズ・マテュイディ、サミ・ケディラに加え、新たにエムレ・ジャンも加わったからだ。21歳の若きウルグアイ代表は、あくまで5番手という位置づけだった。

実際、開幕から3試合はほとんど出番がなかった。だが、ケディラが負傷、ジャンが病気で離脱したのを生かして出場機会を得ると、徐々にポジションを確立。フィオレンティーナ戦ではついに、休養のピアニッチに代わってレジスタを務め、ゴールという結果で期待に応えている。

◆躍動の若手に続々と賛辞

当然、評価はうなぎのぼり。ジョヴァンニ・グアルダラー記者は『スカイ・スポーツ』で「特にインサイドハーフでプレーするときに、決定力に関しても自信を深め、断固たる気迫を身につけられたら、世界最高のMFの一人に立候補だ。年齢を考えれば難しくない」と称賛した。

また、『スポーツ・メディアセット』は、ポール・ポグバのマンチェスター・ユナイテッドからの復帰に関する噂が絶えないこともあり、「これほどのベンタンクールがいれば、ポグバ復帰の夢は悔やむことなく夢のままであり続けられるかもしれない」と報じている。

さらに、フィリッポ・ボンシニョーレ記者は、『コッリエレ・デッロ・スポルト』で「彼こそが今季のセリエA序盤戦の新星だ。急成長している」と、リーグを代表する若手と評価。『スカイ』はベンタンクールが「アッレグリの新たな秘密」だと評した。

それだけの選手を、たった950万ユーロ(約12億円)で手に入れたのだから、ユヴェントスの先見の明が光るというもの。古巣ボカ・ジュニオルスとの間には、将来売却時の50%を渡す条項があるが、ユーヴェは現在その撤廃に動いているという。

◆魔術師アッレグリの手腕

ベンタンクールの飛躍には、本人の努力はもちろんのこと、アッレグリ監督の指導が欠かせない。

アッレグリはこれまでも選手に新たな可能性をもたらしてきた。ピアニッチのレジスタ転向や、マリオ・マンジュキッチの左サイド起用もその例だ。

フィオレンティーナ戦では、フアン・クアドラードをインサイドハーフで用いた。ドリブル突破が武器のウィンガーが、サイドバックやインサイドハーフをこなすようになると想像していた人は少ないはずだ。ボンシニョーレ記者はアッレグリ監督を「魔術師」と評している。

◆ユーヴェの選手層は「別惑星」

ユヴェントスは14試合を終え、13勝1分けの勝ち点40と歴代最高の数字をたたき出している。自身が持つ勝ち点102のリーグレコードの更新も狙えるほどのペースだ。

ファブリツィオ・ボッカ記者が『レプッブリカ』で「今のユーヴェにライバルはいない」と記し、アルベルト・デッラ・パルマ記者が『コッリエレ・デッロ・スポルト』で「別惑星のチーム」と評すなど、セリエにおけるユーヴェの強さは圧倒的。アレッサンドラ・ボッチ記者が『ガゼッタ』で「優勝争いが再び分からなくなる状況を想像するのは難しい。2位争いに集中したほうが良い」と主張している。

その強さを支える一つが、選手層の厚さだ。元世界王者のケディラと、今季の目玉補強の一人だったジャンをアクシデントで失っても、ベンタンクールのような選手が頭角を現す。決して油断を許さない指揮官の下で快進撃を続ける「老貴婦人」を止めることは、果たして可能なのだろうか。