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「ホンダは沈まない」 伊メディアも日本VSセネガルに好評価 「スペクタクル」「サッカーの宣伝」

中村大晃カルチョ・ライター
6月24日、ロシアW杯セネガル戦で同点弾を挙げた本田圭佑(写真:ロイター/アフロ)

ベストマッチかどうかはさておき、大会屈指の好ゲームとなったことは確かだろう。ロシア・ワールドカップ(W杯)、グループH第2節で、日本はセネガルと2-2で引き分けた。

トリノに所属するエムバイ・ニアングにナポリの主軸カリドゥ・クリバリと攻守の主力にセリエAの選手がいたセネガルに対し、日本は乾貴士のゴールをアシストした長友佑都、そして同点弾を挙げた本田圭佑と、ミラノの2チームでプレーした両選手が活躍した。

イタリアのメディアは、日本とセネガルの第2戦をどう伝えただろうか。

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、「ホンダは決して沈まない」と、ミランの元背番号10を称賛。同点弾は「日本にとって正しい報いだった。間違いなく黒星に値しなかった」と伝え、イスマイラ・サールを抑えるだけにとどまらず、攻撃でも貢献した長友のことも「スーパーなユウト」とたたえた。

西野朗監督にも賛辞を寄せたのが、『コッリエレ・デッロ・スポルト』。「結果を決める決定的な存在となった本田を起用し、西野監督は見事采配を的中させた」と、投入からわずか6分で本田が結果を出したことで、その起用を決断した指揮官も評価されている。

『メディアセット』は、日本が「フィジカルインパクトで苦しむところを、素早いボールキープという明確な長所で相殺した」と評価。「非常にクリーンで好ましく、計算して守ろうとすることない一戦」を「互いに勇敢」だったと総括し、ドローは両軍にとって「正しい結末」だったと報じた。

それ以上に試合をたたえたのは、『スカイ・スポーツ』。「サッカーにとっての宣伝。エカテリンブルグでの日本対セネガルの一戦は、まさしく真のスペクタクルだった」と絶賛し、「積極的で闘志あふれる姿勢」の両チームによる好ゲームだったと伝えている。

『Calciomercato.com』は、「決して死なない日本」とサムライブルーに賛辞。長時間にわたり、日本がセネガルよりも良いプレーをしたとし、「激しい試合で、悔しさが残るドロー」と、勝ち点3にふさわしい戦いぶりだったと高く評価した。

そのほか、「拮抗して面白かった(試合)」(『レプッブリカ』)、「ゴール、スペクタクル、そして興奮」(『RAI』)など、この日の一戦は概して好意的に評価されたようだ。

また、共通していたのが、先制点献上につながった川島永嗣のプレーに対する厳しい表現。各メディアが「はじき方が悪い」、「セーブミス」、「不格好なパンチング」「深刻な躊躇」などと伝えており、こぼれ球をサディオ・マネに押し込まれることになったプレーはミスだったとの見方が大半だ。

『コッリエレ・デッラ・セーラ』は「GKたちがミスをした試合をホンダが引き分けに持ち込む」と、川島だけでなく、日本の2点目の場面で不用意に飛び出したセネガルGKカディム・エンディアイエと合わせて批判している。

いずれにしても、日本が勝ち点4でセネガルと首位に並び、2大会ぶりの決勝トーナメント進出に大きく近づいているのは確かだ。当初は敗退濃厚とも言われていただけに、サプライズと評される日本の、さらなる躍進が期待される。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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