上西議員のサポーターを馬鹿にする呟きにモノ申す!「他人に自分の人生乗っける」のが応援の文化である

Jリーグ ワールドチャレンジはドルトムントが浦和レッズを3-2で下した(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

上西小百合衆議院議員が呟いた一連のツイートが物議を醸している。

7月15日に行われたJリーグ ワールドチャレンジ「ドルトムント対浦和レッズ」を上西議員がテレビ観戦し、2-3で負けた浦和レッズを酷評した上記ツイートに対して、浦和レッズのサポーターのみならず、Jリーグのクラブを応援しているサポーターからも多くの批判が寄せられた。

殺到したリプの中には罵詈雑言もあり、「集中砲火」を受けた上西議員は以下の反論ツイートを行い、火に油を注ぐ格好となった。

私もJリーグのクラブの一サポーターとして、毎週末「他人に自分の人生乗っけて」スタジアムに通う人間だ。

自分の生まれ故郷に本拠地を置くクラブに自らを重ねて、勝利に歓喜し、敗戦に涙する――。

つまり、応援するクラブに自己を投影することで、上西議員の言う「なんかやった気になってる」状態なのだが、私は毎週末繰り返されるこの「非日常」がたまらなく好きだ。

私はこれを「文化」だと思っている。

Jリーグも「百年構想」として、この文化の醸成に言及している。

スポーツを行う(Play Sports)だけでなく、スポーツを観る、語る、応援するといった、生活の場に根付いたスポーツとのかかわりを推進することで、豊かなスポーツ文化の醸成を目指していきます。

出典:Jリーグ百年構想

しかし、一国会議員が「他人に自分の人生乗っけて」応援する文化を全否定するツイートをすること自体が、このような文化が日本ではまだまだ醸成されていない証左とも言える。

今回来日したドルトムントでの文化の浸透度合いは?

ヨーロッパでは、このように自分がこよなく愛するサッカークラブの試合結果に毎週末、市民が一喜一憂するのが国民的な文化として定着している国が多い。

例えば今回来日したドルトムントの場合、週末のリーグ戦では8万人収容のスタジアムが毎試合超満員に膨れ上がる。

人口が60万人足らずの中規模の都市だが、ホーム試合が行われる日のドルトムント中央駅は、クラブのホームカラーである黄色と黒のユニフォームを着た市民で溢れ返るのだ。

2011年に私はドルトムントを訪れ、週末のリーグ戦と水曜日に行われた国際親善試合ドイツ代表対イタリア代表を同じ週にハシゴしたのだが(ブログはこちら)、週末のリーグ戦は8万人の超満員だったにもかかわらず、週中の代表戦は6万人台と満員にならなかったのを目の当たりにして、衝撃を受けた。

代表人気が先行している日本とは真逆の現象がドイツでは起きていたのだ。

ドルトムントのバーで知り合ったドイツ人には、「お前はどこのクラブのサポーターなんだ?」と挨拶の直後に聞かれた。地元のクラブを応援するのがあたかも当然のような会話で、出身地を聞く感じで応援するクラブを質問されたことに驚いた記憶がある。

また、ドイツのブンデスリーガでは、各クラブが地域の公共交通機関と提携している場合が多く、観戦チケットを持っていればスタジアムまでの公共交通機関が無料となるケースが多い。まさに、国民の生活に浸透したサッカー観戦文化と言えるだろう。

同レベルの糞リプを送るのは文化の浸透に貢献しない

Jリーグが創設されてまだ24年。文化の熟成には長い年月が必要なのは自明だ。

この過渡期において、サッカー文化を否定する人に対して、同レベルの「糞リプ」を送るのは文化の浸透に何ら貢献しない。

少なくとも今回、地上波のゴールデンタイムでJリーグのクラブの試合が生中継されたのは、絶好の機会と言える。

普段Jリーグに興味を持たない知人が、「浦和レッズ惜しかったね!」と話題にあげてくれるようであれば、是非Jリーグのサポーターは、次のリーグ戦に誘って文化の浸透に貢献したいところだ。

いつか上西議員にもサッカー応援文化を認めてもらえるよう、僕らサッカーファミリーもひとりひとり、精進していきたい。