有馬記念の予想において重要な要素を発見 今年から新しく導入される「特別出走奨励金」とは?

有馬記念が開催される千葉県の中山競馬場(筆者撮影)

12月28日の日曜に1年の総決算、有馬記念が千葉県の中山競馬場で行われる。普段競馬を観ない人でも知っているレース名だろう。それもそのはず、有馬記念は世界で最も馬券が売れる競馬レースなのだ。競馬に詳しくない人でも今年最後の運試しとして、このレースだけは馬券を買う人も多いはずだ。

そんな世間の注目を集める有馬記念だが、2014年から一定の基準を満たした馬に「特別出走奨励金」が交付される新ルールが適用になったのをご存じだろうか?

ファン投票上位馬は出走するだけで500~2000万円が手に入る

JRAのサイトに載っている「有馬記念競走における特別出走奨励金交付基準」によると、有馬記念ファン投票において10位以内となった馬に1~3位2000万円、4~5位1000万円、6~10位500万円の奨励金が今年から交付されることになった。他に「当該年度のG1競走で3着以内、または平地の重賞競走で優勝した馬」という条件もあるが、ファン投票で10位以内に入る馬であれば、ほぼ問題なくクリアできるであろう。

つまり、ファン投票の上位10頭は有馬記念に出走するだけで着順に関係なく(失格の場合は除く)、500~2000万円のお金が漏れなく手に入るというわけだ。

例年、秋のG1シーズンの最後に行われる有馬記念は馬の疲労や馬場の状態などを考慮して、ファン投票で上位に選ばれた馬が出走を回避する事態が散見され、1年を締め括るグランプリに有力馬が揃わないことが多かった。その状況を打破するための新ルールと言えそうだが、今年はその甲斐あってかファン投票上位10頭のうち6頭が有馬記念に出走することとなった。

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ファン投票1位に選ばれたゴールドシップは、10月5日にフランスの凱旋門賞に参戦したのちに11月30日のジャパンカップの回避を表明し、有馬記念に照準を合わせたが、ジェンティルドンナとジャスタウェイは前走のジャパンカップを優勝すれば引退する説も流れていた。結果はジャスタウェイ2着、ジェンティルドンナ4着に終わり、ジャパンカップ後に有馬記念の出走表明がされる運びとなった。

両馬とも2500mの距離が初、特にジェンティルドンナは中山競馬場が初参戦となる。華やかな実績を積んで、引退後に繁殖生活が待っている実力馬が引退レースで初めての距離、競馬場に挑むのは異例だ。あくまで推測だがこの「特別出走奨励金」の新ルールが、有馬記念出走の決断を後押しした可能性は高いのではないだろうか?

マスコミはこの新ルールを大々的に報じていない

この新しい制度は、競馬を予想する上で重要なファクターと言えそうだが、今のところ大手マスメディアは大々的にこの新ルールを報道していない。今週の競馬専門雑誌の週刊Gallopを一通り読んでみたが、特別出走奨励金に関する説明は見当たらなかった。木曜昼に開催された「枠順公開抽選会」を生中継したBSフジのテレビ番組でも、一度も取り上げられなかった。

インターネット上にある競馬記事としては、サンスポの記事日刊スポーツの記事でそれぞれ12月上旬に紹介されているくらいで、有馬記念ウィークと呼ばれる今週にこの情報を載せているウェブ記事は、金曜夜時点で見つけられなかった。

何かしらの報道規制がされているのではないかと勘ぐってしまう状態ではあるが、今の時代、マスメディアが報じずともブログやツイッターなどで情報がシェアされる時代なので、競馬通の人であればこの新ルールは既に知っていたことだろう。当コラムで初めて知った人は是非、予想のための一情報として役立ててみてはどうだろうか?(結果的にジェンティルドンナかジャスタウェイが馬券に絡んでも、筆者は責任を負えないのでご容赦頂きたい)

※【断り】普段はサッカー日本代表のコラムを中心に執筆しているが、筆者は凱旋門賞を観に3度ロンシャン競馬場に行った経験があるほどの競馬通でもあるため、当コラムを執筆した(今年の凱旋門賞現地レポートはこちら)。