S&Pグローバル・レーティングは22日、イタリアの信用格付け見通しを従来の「ステーブル(安定的)」から「ポジティブ(強含み)」に引き上げたと発表した。格付けはBBBに据え置いた(23日付ブルームバーグ)。

 欧州中央銀行(ECB)の前総裁であったマリオ・ドラギ氏は今年の2月13日にイタリア首相に就任した。イタリア議会下院は2月18日にドラギ首相が率いる新政権の信任投票を行い、賛成多数で信任した。上院に続いて信任を得たことで、この日、「ドラギ政権」が正式に発足した。新政権は左派「五つ星運動」や極右「同盟」などで構成する多党連立となった。

 欧州で最初にパンデミックの影響を受けたイタリアではワクチン接種が進み、好調な投資や輸出の拡大で経済回復も進みつつある。

 「我が国の経済見通しは春の時点の予想をはるかに超えている」とドラギ首相は9月に述べていた。政府のワクチン接種キャンペーンが成長見通しの大幅改善に貢献し、2021年のイタリアの経済成長率を6%と予想していると指摘している。

 S&Pグローバル・レーティングは、格付け見通しを引き上げた理由として、改革の実行が経済成長を押し上げ、財政健全化に恩恵をもたらすと説明している。

 イタリアの首都ローマで今月17~18日に、市長選挙の決選投票が実施され、中道左派の与党「民主党」のロベルト・グアルティエーリ前経済・財務相が勝利した。

 民主党を中心とした中道左派連合はドラギ政権を強く支持していることで、ある意味、ローマの市長選はドラギ政権への信任投票ともいえるものとなり、ドラギ政権の政策が支持されているともいえる。

 ポール・クルーグマン氏がドラギ氏を間違いなく 、現代の最も偉大な中央銀行家 であると評したように、ECBでの手腕は評価されていた。しかし、政治家としての手腕は未知数といわれたドラギ氏であるが、政治家としてもどうやらスーパー・マリオであったようである。

 S&Pグローバル・レーティングによるイタリアの信用格付け見通しの引き上げなどを受け、25日のイタリアの国債は買われた。