6月17、18日の日銀金融政策決定会合では長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)などの大規模な金融緩和策の現状維持を決定。そして、これも予想された通り、新型コロナウイルス対応の資金繰り支援策の期限を2022年3月末まで半年間延長することを決めた。しかし、これらの決定の際に異例の事態が起きていた。

 新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの延長の決定に対し、賛成8そして「棄権1」となっていたのである。それだけではない。公表文の採決に対しても棄権、資産買入方針についても棄権したのである。

 政井貴子審議委員の任期は、今年6月29日とまもなくに迫っている。このため、政井審議委員にとっては、今回が最後の会合となる。

 政井貴子氏は外資系銀行から新生銀行の執行役員を経て、2016年に日銀の審議委員に就任した。退任後は飛島建設の社外取締役に就任する予定だと報じられている。

 この件について日銀から、政井委員の棄権は民間企業取締役候補であることが明らかになっているためとの説明があった。

 日銀は政井貴子審議委員が同日の政策決定会合で議案の採決を棄権したことについて、民間企業取締役候補であることが明らかになっているためと説明した。金融政策決定の中立性をより明確にするため、自らの意思によるものだという。日銀によると、審議委員による決定会合での棄権は2004年12月の水野温氏委員以来(18日付ロイター)。

 そして今回、日銀は気候変動対応投融資をバックファイナンスする新たな資金供給制度を導入することも決めた。7月会合で骨子を公表し、年内をめどに実施するそうである。

 4月22日から23日にかけて気候変動サミットが開催されたが、日本政府は温暖化ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で46%削減すると表明しており、日銀もそれを支援する格好となる。

 FRBは地球温暖化が金融システムに突き付ける危険について、その特定と対応のための「金融安定気候委員会」を新設。「金融システムへの気候変動関連リスクを評価して、それに対処するプログラムを開発・実行」するのが同委設置の趣旨だとブレイナード理事は説明していた。

 ECBではデギンドス副総裁が、今後30年間の気候変動に伴う経済リスクを評価するため、ECBが経済全体のストレステスト(健全性審査)を実施していることを明らかにした。

 英国のイングランド銀行は6月8日、銀行及び保険会社を対象に実施予定の気候変動​ストレステストに関し、初回の分析で活用する気候変動シナリオを発表していた。