IMFは今年の世界経済成長率をプラス5.5%に上方修正
IMF=国際通貨基金は26日に、世界経済の最新の見通しを発表した。2021年の成長率は、新型コロナウイルスの影響でマイナス3.5%に落ち込んだ去年から回復し、プラス5.5%になると見込んでいる。
「IMF世界経済見通し」(202年1月改定見通し) https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2021/01/26/2021-world-economic-outlook-update
前回の予測から 0.3%ポイント上方修正されたが、これは本年後半にはワクチンの後押しを得て景気が加速するという期待と、いくつかの主要国における追加的な政策支援を反映している。
景気回復の力強さには各国間で大きなばらつきが出ると予測されており、医療介入へのアクセスや政策支援の有効性、国際的な波及効果による影響、危機発生時の構造的特徴が決め手となるとの指摘もあった。
日本の2021年の成長率の予想はプラス3.1%に、米国はプラス5.1%、ユーロ圏がプラス4.2%とそれぞれ上方修正されたが、日本の回復度合いは欧米に比較して低い予想に。
この予想の鍵を握るのが、新型コロナウイルスのワクチンとなろう。ワクチンや有効な治療薬の開発、普及が進めば、パンデミックの収束が想定以上に早く起きる可能性がある。それに対して、ワクチンの普及が予想ほど進まず、感染拡大が止まらなければ、経済の下押し要因となる。
日本での東京オリンピック・パラリンピックの開催についても、同様にワクチンの普及とそれによる感染拡大抑止が可能となるかどうかに掛かっているように思われる。こちらも国内経済に少なからず影響を及ぼす可能性がある。
また将来のリスク要因としては、政府債務の急拡大もあろう。いまはそれを言っている場合ではないかもしれないが、日本を含めそれでなくても悪化していた政府債務がさらに膨れ上がっているという事実も忘れるべきではないと思われる。