Yahoo!ニュース

7月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比横ばいに

久保田博幸金融アナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

総務省が21日に発表した7月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比プラス0.3%、生鮮食品を除く総合で同0.0%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合で同プラス0.4%となった。ちなみにこれらの数値には昨年10月の消費税率引き上げの影響が加味されている。その影響を除くとさらに低い数字になると予想される。

 日銀の物価目標でもある生鮮食品を除く総合は、4月分が2016年12月以来、3年4か月ぶりにマイナスとなり、5月もマイナスが続いた。しかし、6月はガソリンなどエネルギー関連の下落幅が縮小し、横ばいとなったが、7月も同様の横ばいに。

 原油先物価格をみると、WTIは4月に一時マイナスとなったが。その後、中国などの原油需要の回復などから、徐々に値を戻して、6月には40ドル近くまで上昇した。これにより、エネルギーのマイナス寄与度が縮小し、生鮮食品を除く総合はマイナス圏から脱した格好となった。7月以降のWTI先物は40ドル近辺の膠着相場となっている。

 寄与度をみると生鮮野菜の上昇により、総合がプラス幅を拡げた格好に。天候不順の影響で野菜が値上がりしていた。また、6月と同様に通信料(携帯電話)も上昇しており、こちらは巣ごもりの影響が出ている。教養娯楽サービスも上昇に寄与していたが、テーマパークの再開なども影響か。また、原油価格の持ち直しを受けてガソリンや灯油の価格の下落幅が小さくなったことも影響した。

 低下に寄与しているものとして授業料等(幼稚園保育料など)、他の諸雑費(保育所保育料)が6月同様にあった。これも新型コロナウイルスの感染拡大が影響しているように思われる。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事