新型コロナウイルス感染による世界最大級の企業破綻

(写真:ロイター/アフロ)

 シェール開発大手のチェサピーク・エナジーは28日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し経営破綻した(29日付日経新聞)。

 チェサピーク・エナジーは1989年に創業し、米南部オクラホマ州に本社を置くシェールガス開発の草分け的存在とされている。

 シェールガスとは地下約2000メートルのシェール層に閉じ込められた天然ガスのことで、2000年代後半にアメリカでこれを掘削する技術革新が起こったことで増産が可能となった。これらの技術進歩の結果シェールガス生産量が飛躍的に増加し、世界のエネルギー情勢が一変、シェールガスブーム、シェールガス革命などと呼ばれた。

 ただし、シェールガスの採算ラインは平均1バレル50ドル程度と言われ、原油価格がそれ以下になると採算割れとなってしまう。

 米国のシェールガスそのものの増産により主力の天然ガス価格が低迷し、チェサピーク・エナジーは経営不振に陥っていた。支出削減や資産売却で債務の削減を進めたが、今年に入ってからの原油相場の大幅下落で経営が悪化し、資金繰りに行き詰まった。

 新型コロナウイルス感染拡大とそれを防ぐために行われた世界的なロックダウン(都市封鎖)により、原油の需要そのものが後退し、そこにサウジアラビアやロシアの思惑により、原油先物価格は一時マイナスに転じるなどしたことも影響していたものとみられる。

 今回の負債額は3月末時点で約95億ドル(約1兆円)に上るとされており、新型コロナウイルス感染による影響を受けた企業破綻では最大級の規模となる。

 これが原油価格そのものに与える影響は限られるとみられる。しかし、原油価格も戻ったとはいえども、WTI先物はまだ40ドル割れとなっている。シェール開発関係企業だけでなく石油関連業にとっても当面は厳しい状況が続くものと思われる。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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