乱立するQRコード決済がキャッシュレス化の決め手となるのか

(写真:アフロ)

 ここにきてQRコードを使ったスマートフォンを利用した決済方式が次々と誕生してきている。LINE Pay、PayPay、楽天ペイ、Origamiなどに加えて、みずほ銀行は2019年3月にJコインペイを開始する予定で、7月ごろにファミマペイ、セブンペイとコンビニ系、またヨドバシカメラもヨドペイを開始するとの観測も出ている。

 まさに乱立状態となっており、中国のように乱立したQRコード決済のなかから、2つ程度のQRコード決済に絞られてくるのであろうか。注意すべきは日本が遅れているとされるキャッシュレス化がイコールQRコード決済ではないという点にある。QRコード決済が広がらないと日本のキャッシュレス化が進まないというわけではない。

 キャッシュレスとは何か。キャッシュレス化とはその言葉通りに現金を使わずに決済を行う方式である。ただし、具体的にキャッシュレス化とは何かといえば、範囲を定めることは難しい。

 たとえば給与の銀行振り込みや公共料金の銀行、もしくはクレジットカードでの引き落としなどもキャッシュレスの一環といえよう。現在、通勤通学などでの公共交通機関での利用はその多くでSuicaなどでの電子カードが利用されている。スーパーやコンビニなどでも独自の電子カードが多く利用されている。

 さらにアマゾンや楽天などを利用した電子商取引についても主にクレジットカードが使われていることで、こちらもキャッシュレス決済となっている。

 百貨店や大型家電店などでの買い物では、クレジットカードの利用も多いであろう。これらをすべてキャッシュレスとの括りにすれば、日本のキャッシュレス化は決して遅れてはいない。

 ただし、日本では韓国のようにデビットカードの利用が進まず、中国やスウェーデンのようにQRコード決済が一般的となっておらず、香港や台湾のようにひとつの交通系カードで買い物もタクシーも使えるといった状況にはなってはいないことも確かである。

 日本ではキャッシュレス化が遅れているというより、いくつかの方式の電子決済を使い分けているという状況となっている。もし今後QRコード決済が広がったとしても、電子決済にあらたな方式がひとつ加わった程度となるのではなかろうか。それにキャッシュレス決済が集約されるとも考えづらい。技術的な問題もあるとは思うが、可能性からすると海外からの観光客にも利用可能なようにSuicaなどの電子カードの統一化が望ましいと個人的には思っている。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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