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米国債保有高、日本を抜いて再び中国がトップに

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 米財務省が発表している米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、今年6月の国別の米国債保有高のトップは中国が日本を抜いて再びトップの座を奪い返した。

「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」 http://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

 6月の中国(China、Mainland)の米国債保有高は1兆1465億ドルとなった。2位は日本で1兆908億ドルの保有高となった。上位10か国は次の通り(単位、10億ドル)

中国(China, Mainland)  1146.5

日本(Japan)  1090.8

アイルランド(Ireland)  302.5

ブラジル(Brazil)  269.7

ケイマン諸島(Cayman Islands ) 254.0

スイス(Switzerland)  244.5

英国(United Kingdom) 237.3

ルクセンブルグ(Luxembourg )211.7

香港(Hong Kong)  202.6

台湾(Taiwan) 184.4

 日本は昨年10月に中国を抜いて米国債保有額でトップとなっていたが、ここにきて中国による米国債保有高が増加してきたことで、中国に抜かれた格好となった。  中国の外貨準備高は6か連続で増加し、7月には3兆ドルを突破し、3兆800億ドルに達した。これが中国による米国債買入の原資となっていることは確かである。為替介入(ドル売り元買い)が減少してきたことも影響しているようである。

 ただし、日本については、8月8日に公表された6月の国際収支の付表によると米債を1兆2429億円買い越しとなっていた。米財務省のデータによると5月から205億ドル減少となっており、違いが生じている。米国債国別保有残高は後ほど修正が加えられることもあるため、注意も必要か。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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