今年のFRBのスケジュール
2014年の相場を見る上で、大きな注目材料に「今は」なっているのが、FRBの金融政策の行方である。「今は」としたのは、テーパリングは淡々と進められ、年内にも完了すると予想され、その自体は次第に材料視されなくなると予想されるためである。今後は利上げ時期が焦点となろうが、それについては具体的な言及は避け、市場に材料視されないような配慮をしてくると思われる。
それでもFRBの動向は常に注目されることは確かであり、今年は特に議長・副議長の交代などもあるため、そのスケジュールについて再確認しておきたい。
FOMCのメンバーは年を跨ぐと連銀の投票権を持つメンバーが、ニューヨーク連銀のダドリー総裁を除いて交代する。今年最初の1月28日、29日のFOMCから2013年のセントルイス、シカゴ、カンザスシティ、ボストンの各連銀総裁から、クリーブランド連銀のピアナルト総裁、フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁に変わる。
1月末でバーナンキFRB議長とジェローム・パウエル理事の任期が終了する。FRB理事の任期は14年であるが、2012年5月に就任したパウエル理事は前任者の任期を引き継ぐ形となったため、任期が2014年1月31日に到来してしまう。理事は原則1期だが、任期途中で辞めた理事の後任については、残り任期を務めた後に再任が可能である。オバマ大統領はパウエル理事を再指名している。
バーナンキ議長は議長としての任期は4年であるため、今月末が任期満了となるが再任できる。また、理事としての任期は2020年1月まであるが、議長として再任されることもなく、また理事として残ることもなく、バーナンキ氏は本人の意向などからFRBを今月末で離れる。
バーナンキ議長の後任は、現副議長のイエレン氏となる。イエレン副議長の後任はスタンレー・フィッシャー氏が指名され、さらに空席となっている理事には、ラエル・ブレイナード氏が指名された。これにより2月からのFRBの理事は、イエレン議長、フィッシャー副議長、タルーロ理事、ラスキン理事、パウエル理事、ステイン理事、ブレイナード理事と定員7名で構成される予定となる。
FOMCの今年のスケジュールは以下の通り(FRBのサイトより)
January 28-29
March 18-19*
April 29-30
June 17-18*
July 29-30
September 16-17*
October 28-29
December 16-17*
アスタリスクのついたFOMCでは議長会見が予定されており、昨年までの動きからみると、政策変更があるとすればこの会見のあるFOMCの可能性が高いということにもなる。
ただし、2013年の日銀を例に出すまでもなく、議長が替われば方針も変化する。イエレン議長とフィッシャー副議長が市場とあらたなコミュニケーション手段を取ってくる可能性も十分にありうる。このあたりについては、会見も伴う3月のFOMCあたりで明らかになるのではなかろうか。