格安4Kテレビは本当に"安い"のか?

(写真:アフロ)

今、何かと「4K格安テレビ」が話題に上る。本当に「安い」のだろうか?

メーカーで商品企画、商社のコンサルティング経験も持ち、長年にわたって業界をあらゆる方向から観察してきた筆者が、消費者に忠告したい。

「格安テレビ」が登場するタイミングと理由

テレビに限らず、「格安家電」が登場するタイミングがある。それは、新しいジャンルの製品が登場して人気を集めつつも、価格が高止まりしている時期だ。

4Kテレビは、今、まさにこの状態。大手メーカーとの「値差」を作り出し安く、また、衝撃的な割安感を打ち出せば、自ずと情報が広がって宣伝効果も得られる。

「格安」なワケ

一般的に格安の理由として、「機能をシンプルに」、「広告宣伝費を掛けない」、「直販に近い体制で流通マージンを省く」といった言葉を目にする。確かに大手メーカーとの違いであり、納得する部分もある。

一方で、格安の理由はそれだけではない。筆者の経験上、「品質」や「アフターサービス」に差があるケースが多い。

テレビの場合、主要部分がデジタル化されたので、部品を集めればそこそこキレイな映像が映る製品を作ることができる。しかし、数年使い続けられる耐久性を備えているかどうかは直ぐに判断がつかない。また、故障した際にきちんと対応がなされるかどうかの心配がつきまとう。

過去から学ぶ

筆者が格安製品の品質やアフターサービスについてネガティブな指摘すると、「大手は過剰品質」であるとか、「格安メーカー批判は大手メーカーの擁護だ!」などといったご意見を頂く。

そこで、過去の事例を見てみよう。

過去の格安テレビブームは、液晶テレビの登場と地上デジタルへの切替時期に経験した。

「バイ・デザイン」や「ダイナコネクティブ」といったブランドを記憶されている方は多いと思うが、現在はどちらも存在しない。

他にも十数ブランドが思い当たるが、その企業または事業の殆どは終息している。

一般に格安ブランドは、人気の製品ジャンルを狙い撃ちするので、製品に関する経験が乏しく、品質問題が起こりやすい。また、一度品質問題が起こってしまうと、サポートも追いつかない。(サポートは外部に業務委託するケースが多く、人員などの固定費は抑えられる反面、業務が増えると非常に高コストになって経営を圧迫する)

結果、事業か継続できなくなってしまう。

安いと思って買った製品が、壊れて修理も受けられなければ「安物買いの銭失い」になってしまう。先人の残したことわざの通りである。

さいごに

登場しては消えゆく格安メーカー。歴史は繰り返され、4Kの次の8Kも同じことが起こるだろう。

もちろん全ての格安メーカーが悪いという訳ではない。例えば、米「VIZIO」は、高品質と低価格で大成長を遂げた。ただ、そうした例は非常に少なく、優良な新興ブランドを見抜くためには、相応の情報収集努力が必要である。

テレビや家電にそれほど興味が無い消費者の場合、迷ったら、少し高価でも、大手メーカーの製品をお薦めする。長期に渡って事業を継続しているメーカーは合理性が伴っているからであり、価格にもそれなりの理由があるからだ。

良いモノを永く使うことができればお得。使っている時にも満足感が高く、資源の節約にも繋がる。