Night Shift お薦め設定(iPhone6編)

夜スマホは睡眠の妨げになると言われている。(写真:アフロ)

ブルーライト問題

iOS9.3では、ブルーライトの軽減を目的とした「Night Shift」機能が追加されました。

ブルーライトとは、人工光に含まれる青色成分のこと。近年、スマホに限らず、照明、テレビ、パソコン、タブレットなどから、人工の光を目にする時間が長くなりました。それらの光に含まれる青色成分(ブルーライト)が人間に「朝だ!」と錯覚させ、眠りを妨げられると考えられ、社会的な問題になっています。

特に近年、省エネ光源として採用が進んでいるLEDは、殆どが青色に発光する素子をベースに作られていて、白熱球や蛍光管に比べても、青色のエネルギーが強いことも問題視されています。

スマホやタブレットに関しては、画面の青味を抑えるアプリは存在していましたが、iOSが同様の機能を標準的に搭載したのは注目に値します。ブルーライトが社会的な問題として認知された証と言えるでしょう。

似たようなケースとしては、ヘッドホン利用時の音量制限機能があります。障害のリスクを低減する機能を提供することは、ユーザーを守るためでもあり、供給企業を損害賠償などから守ることにもなるでしょう。

Night Shift機能のお薦め設定

Night Shift機能では、ユーザーが任意で色味を設定することができます。

筆者の手元にあるiPhone6で色温度(白の色味を示す指標)を測定したところ、以下の数値でした。

・OFF: 7000K

・On(冷たく) 6000K

・On(温かく) 2800K

・On(中央付近) 約4000K

ブルーライトを出来る限り低減したいなら、白熱電球相当の「On(温かく) 2800K」が最も効果的です。ただし、赤味が強すぎて正しい色が判らなくなります。SNSの利用など、文字情報を読み取るだけなら問題なさそうですが、動画や写真の表示には不向きです。

特にファッションのネットショッピングはNG。画面上で見た色と、届いた実物の色が違って、返品・・・ということにもなりかねません。

筆者のお薦めは、色温度値で5600K程度。動画や写真を見てもギリギリ違和感の無い範囲で、かつブルーライトもOFFの状態より幾分軽減できます。手元のiPhone6では、色温度を5600Kにするには、調整スライダーが概ね添付キャプチャ画面の通りでした。

iPhone6で5600K時のスライダー位置(赤線)
iPhone6で5600K時のスライダー位置(赤線)

制作者の意図した色味を最大限に楽しむなら、常時「冷たく」

現在、映像の制作基準は6500K(D65)です。例えばネット配信大手のNetflixは、コンテンツ供給者に対し、制作工程で6500K(D65)を厳守するように指示しているほどです。

iPhone6の標準状態(Night Shift OFF)は色温度は7000Kで、Night Shift On(冷たく) の時は6000K。最適値はその中間と言えますが、視覚の特性も含めて厳密に分析すると、Night Shift On(冷たく) の方がより制作基準の6500K(D65)に近いことが判りました。iPhone6で、制作者の意図した色味を最大限に楽しむなら、常時「冷たい」に設定しておくと良いでしょう。

なお、人間が画面の映像を見る際は、「色順応」の影響も受けます。日中の屋外なら、iPhone6の標準状態(Night Shift OFF)が概ね適切です。(雑多なAndroid端末に比べ、Appleの製品は実に良く考えられています)

さいごに

ブルーライト対策は、画面の色味調整に加え、以下にも注意したいものです。

・可能であれば、就寝目標の2時間程度前までには、スマホ、タブレット、テレビの利用を止める。

・夜間もスマホ、タブレット、テレビを見るなら、画面の明るさは最小限に。輝度を下がれば、ブルーライトも少なくなります。

・日没後は、照明を白熱球のみに。(LED照明は電球色でもブルーライトを比較的多く含みます)

もう、スマホを手放す訳には行きませんが、ベッドには持ち込まない、輝度を出来る限り下げる、Night Shiftを利用するなど、考え得る対策を講じて、健康で便利な生活を送りたいものです。