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たまご購入時の選択基準、トップは52.3%が「賞味期限まで余裕」

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 店でたまごを買う時の基準は?(ペイレスイメージズ/アフロ)

・たまごを毎日食材として利用している人は約1/4、週に半分以上の人も合わせると5割を超える(2017年度)。

・たまご購入時の選択基準のトップは「賞味期限まで余裕」で52.3%、「10個入りパック」が51.8%で続く。

・たまご購入時の基準価格は10個換算で大よそ175円。

多くの人にとって日々の食生活には欠かせない存在の食材、たまご。その身近な存在のたまごは、どのような基準で選択され、手に取られているのだろうか。その実情をJC総研が2018年4月に発表した、農畜産物の消費行動に関する調査(※)の結果報告書から確認する。

今調査対象母集団ではたまごを毎日食材として利用している人は約1/4、週に半分以上の人も合わせると5割を超える。たまごをほとんど食材として使わない人は数%。

↑ 家庭における食材の摂取頻度(たまご)
↑ 家庭における食材の摂取頻度(たまご)

それではそのたまごは、どのような基準で選ばれ、購入されているのだろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。

↑ たまご購入時の商品選びの基準(複数回答、上位陣)(2017年度)
↑ たまご購入時の商品選びの基準(複数回答、上位陣)(2017年度)

トップは「賞味期限まで余裕(がある)」で52.3%。たまごはよほどの高額な品質のもので無い限り、大抵は数個をまとめたパックで購入するため、購入日からしばらくは冷蔵庫の中に入れて保存しておくことになる。生ものということもあり、賞味期限が切れたたまごを食べるのはリスクが高く、極力避けたいところで、そうなった場合は食べずに廃棄するしかない。賞味期限に余裕が無いと、せっかく購入したたまごのいくつかを無駄にしてしまいかねないし、それを防ぐために食卓にはたまご料理ばかりが並ぶことになってしまう。

第2位は「10個入りパック」で51.8%。たまごの販売スタイルは多様だが、4個入り、6個入り、10個入りなどがメジャー。料理でのたまごの利用頻度や、家族構成人数で需要は違ってくるが、夫婦世帯ならば10個入りパックがちょうどよい数なのだろう。

第3位は「特売やタイムサービス品」で44.3%。たまごは身近な食材で多くの人の需要が期待できることもあり、スーパーやデパートなどではしばしば客寄せ用の特売品として用いられる。その機会を狙って購入する人も少なくあるまい。

栄養面でのこだわりや、殻の色、産地などに関する特徴を基準としている人は案外少ない。「地元または近県産」が2割近くいるぐらい。長持ちして適切な数が一度に手に入り、満足できる安さならばそれで構わないという人が多いようだ。

それではそのたまごの価格は、購入時の基準としてはいくらぐらいなのだろうか。公開値を基に概算平均を算出した結果が次のグラフ。

↑ たまご購入時の基準価格(10個換算、概算平均、円)(2017年度)
↑ たまご購入時の基準価格(10個換算、概算平均、円)(2017年度)

全体平均では175円、既婚では男女で差異はほとんど無いが、単身世帯では女性の方が高いたまごを選ぶ傾向がある。年齢階層別ではきれいに年上になるほど高い価格のたまごを選んでいる。「たまご購入時の商品選びの基準」では年齢階層別の値が非公開なので確証は取れないが、高齢層ほど強いこだわりを持ち、高品質のたまごを求めるのだろう。また、消費量が少なくなるために少数単位での購入となり、結果として単価が上昇してしまうのかもしれない。

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※農畜産物の消費行動に関する調査

直近年度分は2017年12月15日から19日にかけて、全国の主婦・既婚男性・単身(独身)女性・単身(独身)男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2162人。男女比はほぼ1対1、年齢階層別構成比は20代以下174人・30代291人・40代359人・50代338人・60代409人・70代以上591人。調査実施機関はインテージ。過去の調査もほぼ同様の条件下で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更を加えたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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