10歳未満の子供達におけるゲーム機の利用実情をさぐる
家庭用ゲーム機の単純利用率とインターネット利用率
最近ではスマートフォンに押されつつある雰囲気も見受けられるが、ゲームを楽しむのにはいまだ欠かせない存在に違いない家庭用ゲーム機。10歳未満の子供達における利用実情を内閣府が2017年5月に発表した、低年齢層のインターネットに関わる利用実情を調査した結果報告書(※)から確認する。
まず最初に示すのは、子供の年齢階層別におけるゲーム機の利用率。ここではインターネットの利用は問われていない。最近ではインターネットに接続しないと一部機能が使えないゲームソフトも増えているが、インフラの整備実状やリスクを鑑み、保護者が使わせていない場合も多分にありうる。
全体では携帯ゲーム機が3割近く、据置型ゲーム機が1割強。大よそ2倍近い差異が生じている。年齢階層別では大体どの年齢層でも携帯型の優勢度合いは同じ程度。4歳辺りから利用率が伸び始め、そこからはほぼ一直線に増加していく。
小学校に入る直前あたりから伸び度合いがやや大きくなるのは、子供の生活領域が広がり、コミュニケーションツールとしてゲーム機が用いられる機会が増えるからだろうか。
これを各ゲーム機でインターネットへの接続もしている人の割合で見たのが次のグラフ。比較のために縦軸はあえて最初のグラフと合わせてある。
5歳までは誤差の範囲、6歳以降はやや増加していくが、その上昇度合いも上記の単純利用率とは比べれば穏やかなもの。ゲームソフトの仕様としてインターネット接続をする作品も増えてはいるが、保護者としては許諾しないケースが多々あるのだろう。
ゲーム機のインターネット接続でしていること
次に示すのはゲーム機でインターネットに接続をした際に何をしているかについて。全体比ではなく、ゲーム機でインターネットに接続した人限定であることに注意。また、ゲーム機利用者全体に占める割合でもない。
ゲーム機でのアクセスである以上、当然ゲームを行う人がもっとも多い。ブラウザゲームなのか、ゲームソフトのインターネット接続による追加仕様なのかまでは今調査では確認ができないが、ともあれゲームをしていることに違いはない。
他方、ゲーム機によるインターネットアクセスでも、動画視聴をする人は4割程度確認できる。スマートフォンやタブレット型端末と比べれば比率は低いものの、ゲーム機を使って動画を楽しむ子供達は少なからずいる。また、その他の利用項目も少数ながら回答者がいるのを見るに、スマートフォンなどの代替として、ゲーム機を使っている子供もいるのかもしれない。
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※低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査
2017年1月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を有する保護者を対象に、同年1月12日から1月30日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は2000人、有効回答数は1550人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ11人、26人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。