日本の子供比率は12.6%、それでは諸外国は!?
日本の子供比率は12.6%との結果が先日総務省統計局から、こどもの日に合わせた公開データ「我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで-(2016年5月4日)」として発表された。日本では少子化が進む中でこの値も漸減している。
それでは諸外国はどのような値を示しているのだろうか。
「各国における子供(0歳~14歳)の割合」に関して、「国連人口統計(2014年版)を基に、人口4000万人以上の国」に限定して精査したのが次のグラフ。なお各国の値は完全な同一タイミングで調査した結果ではなく、諸国の公知データにおける最新値を抽出している。そのため厳密な比較はできないが(最も新しいのは日本の2016年4月1日、古いのはナイジェリアの2006年3月21日)、日本の子供比率の低さを改めて実感できる。
日本の子供比率の低さには多種多様な理由があるが、医療体制・技術の充実や、社会保険環境の整備安定化による平均寿命の伸び、結婚関連における社会習慣の変化、そして社会環境の整備や生活の安定化に伴う子供生育のコスト急騰などを理由とする、「先進国病」ともいえる出生率の低下が大きな要因。
若年層数・率の低下はその世代の社会的・政治的発言力の低下をもたらし、国の施策が彼らを軽視する傾向につながる。その施策傾向により、ますます出生率が低下する悪循環が生じ、中長期的な観点では、国全体の人数、経済、活力の縮小を導き得ることになる。端的な表現では国そのものの老化でもある。国のリソースの若年層への配分が軽視され、拡大再生産ではなく縮小再生産状態となり、いわば「種もみを食べる」状態になりかねない。
子供比率が高い国では、平均寿命が短く、結果論として子供比率が高くなってしまう国も多い。一概に子供比率が高ければよいわけではない。しかしながら社会保障制度は子供の層がシニア層を支えるのが原則であることを考えると、日本の値は余りにも低く、バランスに難がある。人口に関わる政策においては、中長期視野からの戦略的な手立てが求められる状態。
今件データは毎年更新される元値をベースに算出されていることから、その経年変化を知ることができる。今回は前年、つまり国連人口統計年鑑の2013年版の値との比較を算出しておく。ただしナイジェリアのように、前年と同じタイミングの値しか無かった国も確認されるため、「0.0%」がそのまま「1年経過しても値が変わらず」を意味する以外に「単にデータの更新が無かった」場合もあるので注意を要する。またケニアは前回年のデータが存在しないので、計算値は空欄となっている。
インドネシアやアルゼンチンで上昇、つまり子供の比率の増加が確認できる。ロシアも意外な伸びを見せる。他方、エチオピアのマイナス2.5%ポイントをはじめ、フィリピンのマイナス1.1%ポイント、メキシコのマイナス0.9%ポイントなど、複数の国で大きな下げ率が生じている、つまり子供比率の縮小が起きているのが分かる。
差異では無く絶対値として日本に続く低値を計上しているのはドイツ、そしてイタリア、韓国。中国も実のところ16.5%と日本に迫る値(日本ならば前世紀末の水準)。それぞれの国の少子化対策が気になるところではある。
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