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LINEは5割強、Facebookは3割近く…日本で普及中のソーシャルメディアなどの利用状況

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 昨今のソーシャルメディアはスマホ主流との話もあるが

LINEは携帯が大部分

今や意思疎通には欠かせないソーシャルメディアやその類似サービスだが、利用実態はサービスによって大いに違いを見せているとの話もある。総務省情報通信政策研究所が2015年5月に発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の調査結果をもとに、媒体ごとの利用状況を確認していく。

次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末からしているのかの回答値。回答時点で該当サービスを閲覧のみで利用しているか、書込みや投稿まで含めて利用しているか。そして利用する際の端末はパソコン(PC。ノート、デスクトップを問わず)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。

↑ LINEの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ LINEの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ LINEの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)
↑ LINEの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)

全体でも半数強の人が使っているLINE。20代では実に9割以上が利用している。10代がやや低めなのは13歳以上を対象としているからで、端末そのものを保有していない場合もあるため。そして40代までが過半数の利用者、60代でも1割。

LINEのチャットシステム的な特性上、見るだけの人と書込みもする人の差異はほとんどない。そして圧倒的に携帯電話経由の人が多い。見方を変えると20代では大よそ7割の人が、携帯電話を使ってLINEでやり取りをしていることになる。

Facebookも携帯経由がメイン

続いてFacebook。

↑ Facebookの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Facebookの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Facebookの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)
↑ Facebookの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)

男性の利用率が高めなのはビジネス利用の事例が多分にあることと、実名利用におけるリスクの問題からと思われる。世代別では20代がもっとも多く、以後歳を経るにつれて減退していく。

端末別だがLINEほどではないもののFacebookも携帯がメインの利用端末となっている。そして双方向での利用を強要されないこともあり、見るだけの人と書込みもする人との差がそれなりに大きくなっている。特に20代はパソコン経由も携帯電話経由も、書込みをする人は大よそ読む人の半数でしかなく、企業や芸能人、サービスなどの専用ページにアクセスして情報収集をしている人が多分にいるものと考えられる。

10代利用者が意外に多いTwitter

続いてツイッター(Twitter)。

↑ Twitterの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Twitterの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Twitterの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)
↑ Twitterの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)

Facebookは20代と30代の利用がメインだが、Twitterは10代と20代がメインで、10歳分ほどシフトしている。そしてパソコンからの利用率が多いのと共に、携帯電話からの書込みでは20代よりも10代の方が、男性よりも女性の方が携帯電話経由では高い値を示すなど、特異な動きを示している。Twitterは現状では20代までの若年層が中心で、携帯電話がメインだがパソコンからも多く利用されており、女性も積極利用しているのが実情といえる。

逆に30代以上は利用率、特に書込み率が急速に減退する。いずれの世代も個々の端末経由では1割にも満たない。他人の発言を読み通すだけで満足してしまっているのだろう。

かつて日本最大のソーシャルメディア、mixiは…!?

最後はmixi。かつては日本国内最大手のソーシャルメディアとして他のサービスを凌駕し、日本の独自性を見せていたが、いつしか運営会社からのアクセス関連のデータは非開示となり、現状はほとんど把握できない状態。

↑ mixiの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ mixiの利用状況(2014年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ mixiの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)
↑ mixiの利用状況(複数回答)(2014年、詳細、属性別)

全体利用率は8.1%。男女差はほとんど無く、10代は3.6%。20代から30代がピークで、40代以降は数%に留まっている。震災時に連絡を取り合うためにと若年層が多数登録・利用したとの話もあったが、その人たちが多分に利用を継続しているようだ。むしろ最盛期を支えていたと思われる40代前後の利用率がさほど高くないのには驚かざるを得ない。

今回の4メディアに関する利用状況は、大よそ現在世間一般にイメージされている、語られている浸透ぶりとほぼ同じ結果といえる。もっともソーシャルメディアも他のウェブサービス同様、流行り廃りの流れは著しい。次年分ではさらに大きく偏り、変化が生じているかもしれない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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