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leiftによる新たな挑戦。音楽NFTによって変化するアーティストとリスナーの関係性

ふくりゅう音楽コンシェルジュ

leiftこと、音楽家KOTARO SAITOは、ストリーミング時代を誰よりも早く理解し、いかにすれば“自ら創出した音楽作品をリスナーへ届けるところまでをエンターテインできるか”という大切さにいち早く気づき、実践した挑戦者だ。

leiftとは、これまでインストを軸に創出していたKOTARO SAITOによるポップミュージック化プロジェクトである。ゆえに自身で歌唱もしはじめた。その歌声、発声がよいのである。声を楽器として自由に使いこなし、そして可視化される言葉から高揚するカタルシス。楽曲作品のシンプルなタイトルから広がっていく、内面宇宙へとダイブするかのように潜る、深みある言葉と冷静と情熱の狭間を揺れる音像の掛け合わせの魅力。

それは、ニューウェーブとテクノ、ハウス、エレクトロニカ、ドラムンベース、チルの間をたゆたうポップセンスを活用し、湿っぽくなりがちな言語である日本語をいかにクールに聴かせるか、そんなこだわりの表現スタイルへと立ち向かう。それでいて、ふと突き刺さる、距離感がグット近くなる人間力を感じる剥き出しの言葉の魅力もいい。作詞作編曲・歌唱・演奏・録音ミックスをひとりで行った、今の時代ならではの主観の強いアルバムである。ストリーミング時代の到来、民主的に解放されたポップミュージックの本質を、KOTARO SAITOはleiftプロジェクトで模索しはじめたのかもしれない。

そんな、アーティストとリスナーをダイレクトファイナンスで結ぶのが、日本の音楽NFTのパイオニア、NFTマーケットプレイス『.mura(ドットミューラ)』だ。表現者がSpotifyなどストリーミングによって海外、そして新規リスナーとの新たな接点を作り、初期ファン=アーリビリーバーの証を音楽NFTとして提供する。アーティストとリスナーの新たな関係性がleiftによる1st album『Beige』にて実践されていく。

https://dot-mura.com/landing

KOTARO SAITO本人によるnoteでの解説も見事だ。彼は、本NFT作品を”デジタル上のオリジナルプリント”と定義した。

https://note.com/kotarosaito/n/nbde6fbb71fdc

なお、マスタリングはロンドンの名門Metropolis Studioで行われていることにも着目したい。奥行きとメリハリあるダイナミックなサウンドで展開されていく。そして、本作のストリーミングのディストリビューションはYOASOBIの世界的ヒットをサポートするOrchard Japanが担当している。魅力的なタグを揃えているところにも、KOTARO SAITOによるマーケティングの妙が伝わってくる。自ら生み出した音楽を大切にしたいという心の表れだ。

本NFT作品は、すでに2023年6月10日22時から販売中だ。leiftによるTikTokライブに合わせてリリースとなり、6月21日に表参道WALL&WALLで開催したライブも大盛況となった。leiftが生み出す、研ぎ澄まされた精神性が伝わってくる音楽美を堪能してほしい。

音楽NFTマーケットプレイス ドットミューラ

https://dot-mura.com/landing

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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