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究極のフィクション・プロジェクトTM NETWORK、30年間の最終&最新形!

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
TM NETWORK 30th 1984〜 QUIT30 HUGE DATA

究極のフィクション・プロジェクト、TM NETWORKのSFストーリーを締めくくるコンサート『TM NETWORK 30th 1984〜 QUIT30 HUGE DATA』を観た!

TM NETWORK
TM NETWORK

TM NETWORKは、2012年の武道館での復活公演より、まるで海外ドラマのようなストーリー性溢れるシリーズ形式のライブ・エンタテインメントを5シリーズに渡って提供してきた希有なアーティストだ。

昨晩2015年2月7日(土)、さいたまスーパーアリーナで行われた公演は、昨年秋から年明けまで行われていたツアー『TM NETWORK 30th 1984〜 QUIT30』の追加公演として、“HUGE DATA”というキーワードが追加されている。“HUGE DATA”とは小室哲哉曰くビッグデータよりも大きなデータの意味を指すという。いわゆる、より密度も濃くデータ量の多いコンサートというワケだ。

本編を見て驚いた、まったくの新作コンサートといっても過言でない構成、そして選曲。小室哲哉自らロンドンへ旅立ち、4Kカメラで収録して来たオリジナルの映像美。アリーナ・ツアーに合わせて可変型LEDの数も増殖し、巨大化していることも見逃せない。さらに、80年代初期のコンサートから導入していたレーザー光線を多用した照明美にも驚かされる。宇都宮隆のパフォーマンスもここ数年で最高潮に感じる。木根尚登のギター・カッティングやヴォーカルなど見せ所も多い。そして、『CAROL』の真の謎が解き明かされる衝撃の展開へ……。ま、まさかのあの曲とあの曲とあの曲が。。

<Twitterより引用>

Tetsuya Komuro @Tetsuya_Komuro 2月2日

みんな、みんな

本当に毎日お疲れ様!

アリーナに向け仕上げています。

2012から始まったTMらしい

30年間の最終形です。

2度と出来ない組曲を

お聴かせします。

ロンドンまで行って

準備してきましたから(^^)

出典:Twitter Tetsuya Komuro

小室哲哉が、昨日ライブ後にTwitterで「ネタバレOK!! だってもうあと3回しかないんだよね。」とツイートしていた通り、TM NETWORK30周年の物語を総括するストーリー、結論が明かされる展開ゆえに、FANKS(※TMファンの意)や、『CAROL 〜A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991〜』の物語や作品に感銘を覚えた方、この記事を読んでTM NETWORKというプログレッシヴ・ポップな音楽ユニットが面白い“プロジェクト”をやっていると気になった方は、ぜひ会場に足を運んで欲しいと願う。

そもそも、TM NETWORKは活動を“プロジェクト”化して動いてきたアーティストだ。バンドと違ってプロジェクトごとにメンバーも異なり、目標もスタイルも変えてきた。なかでも、80年代末にリリースした100万枚を売り上げたコンセプチュアルなアルバム作品『CAROL 〜A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991〜』は、音楽〜小説〜アニメ映画など、メディアミックスを実践してきた成果を持つ。後の音楽シーンに多大なる影響を残したことは言うまでもない。

昨今、CDが売れない時代というが、これからのアーティストは“アルバム”単位で動くのではなく、“プロジェクト”単位で活躍することが求められるだろう。TM NETWORKはデビュー時の1984年から“プロジェクト”として表現活動する大切さを説いていた。個の連帯であるチームとしての活動の大切さ。“プロジェクト”単位で動く仕事の重要性が伝わった2015年の今であれば、理解できることだろう。やはり、TM NETWORKは地球の未来を調査しながらも、デジタルの可能性や恐ろしさなど、次世代の文化を教えてくれていた“潜伏者”だったのかもしれない……(※ファン以外の方へ。そんな説があるのです!)。

30年目で“区切り=QUIT”と小室哲哉が語っている通り、今年の春前にTM NETOWRKはひとつの区切りを迎えようとしている。しかし、誤解を恐れずにいえば驚くほどに悲しさは少ない。それは、よくあるアニヴァーサリーの為だけに再結成したようなアーティストでは無く、2012年の復活時より、明確なヴィジョンとコンセプトを提示し、実験性とエンタテインメント性を両立させ、シアトリカルな作品を追求し続けてくれた結果に他ならない。ぜひ、TM NETWORKが描いてきたSFストーリーの衝撃のラストを目撃して欲しい! 泣いても笑ってもオリジナル・ストーリーのコンサートは、本日8日を含めて残り3回だ。当日券も発売されるそうなので要チェック!!! そして次なる“プロジェクト”に期待で胸を膨らませたいと思う。

Restricted Confidential

1984 to 2012〜2015:これまでのあらすじ

TM NETWORKが16光年離れた惑星から地球を訪れたのは1984年だった。その目的は、潜伏者となり地球上のさまざまな文化やさまざまな営みを調査しメインブレインへ報告するためである。その任期は30年。

●TM NETWORK CONCERT-Incubation Period-

2012年4月24・25日@日本武道館

地球潜伏30年目を迎えて任務完了となった2014年のTM NETWORKが、タイムマシンで時間を2年間(730日)巻き戻した、2012年の話。新たなる潜伏者との邂逅。行き過ぎた文明への警告メッセージ。あの時、日本武道館上空には宇宙船が浮かんでいた。

●TM NETWORK FINAL MISSION-START investigation-

2013年7月20・21日@さいたまスーパーアリーナ

母船からの指令により、トレイン型のタイムマシンによって1950年代のアメリカへ降り立ったTM NETWORK。トレーニング中の新米潜伏者=2012年型IPと、地元民のわかりあえない争い。潜伏者であるCAROLとの出会い。音が聴こえなくなる世界からの警告。

●TM NETWORK 30th 1984〜 the beginning of the end

2014年4月26日〜5月20日@全国10公演

TM NETWORKが憂う地球の未来。舞台は前作のラストシーンから続き、宇宙船内へ。3人が関与していた、実はアンドロイドであったCAROL誕生の秘話。バトンとともに1974年のロンドンへ宇宙船から発射される、地球を背景とした壮大なるラストシーン。

●TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30

2014年10月29日〜2015年1月11日@全国15公演

コンピュータ用語「30年を区切りに再起動」の意。TM NETWORKは、地球上の様々なシーンへ出没する。潜伏者より受け取った謎のバトン。案内役のキャロルの存在。行動を起こしたキックスターターの活躍。任務延長を示唆する、再起動を選択した3人の未来。

●TM NETWORK 30th 1984〜 QUIT30 HUGE DATA

2015年2月7日〜2月15日@全国4公演を予定

HUGE DATAとは、いわゆる膨大なビッグデータのこと。『QUIT30』で披露されたサウンドや映像による情報量の多い、密度の濃い世界観を、さらに増設されたLED、こだわりの新規映像によって表現するプレミアムなコンサート。Next mission is commanded.

TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

2月8日さいたまスーパーアリーナ

2月14日神戸ワールド記念ホール

2月15日神戸ワールド記念ホール

http://tm30th.jp/tour.html

コンサート会場で、『TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA オリジナルFANKSバッジ(ブラック)付き公式ツアーパンフレット』発売中。

〜 TM NETWORK 30th ツアーパンフレット第三弾!最新撮り下ろしフォトから、前回に続きメンバーによるアルバムレビューも掲載!さらに今回は、30周年プロジェクトをメンバー3人による”雑談風”インタビューにて総括。オリジナルFANKSバッジ(ブラック)付き! 〜

公式ツアーパンフレット
公式ツアーパンフレット

http://avex.jp/tm/

https://www.facebook.com/TMNETWORK.Official

https://twitter.com/tmnetwork_2014

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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