万バズ連発の「ありそうでないプロダクト」が生まれた経緯は? 超人気クリエイターに学ぶ発想のアプローチ
わずか10分で完売となった「きのこの山ワイヤレスイヤホン」、ハンドソープをカニの泡に見立てた「カニのハンドソープ」、本に挟むといろんなシーンが現れる「透明しおり」――独創的なアイデアで万バズを飛ばしまくっているのが、クリエイターのミチルさんです。 SNSで公開しているプロダクトの数々は、どれもユニークでクスっと笑えて、なおかつ実際に使いたくなるものばかり。企業からのオファーも絶えないといいます。どんな発想からアイデアが生まれてくるのでしょう? いろいろと話を伺ってみると、ビジネスパーソンにとっても仕事に役立つヒントが見つかりました。 【この人を取材しました!】 ミチル 架空のプロダクトを創作するクリエイター。2020年よりSNSをメインに活動中。
最も大事にしているのは「形状」
唯一無二のプロダクトを日々生み出しているミチルさんですが、子どもの頃からモノづくりがお好きだったのですか? 「昔から図工が好きで、結構手先が器用な方だったので、モノを作る関係の仕事がしたいなとは思っていました。大学時代に専攻したのは建築です。建築家になりたいと思った時期もあったんですが、授業でプロトタイプのようなもの、いわゆるミニチュアみたいなものを作っているうちに、小さくても手に取って作れるものに興味が移ってきた感じです。 クリエイターとしての活動は趣味というか遊び的に楽しんでやっています。ただ、本業で商品開発に携わっているので、SNSで公開している作品づくりにも影響しているのだとは思います」 思わず「かわいい!」「欲しい!」と叫んでしまうユニークなプロダクトのアイデアは、どんなときに生まれるのでしょうか。 「近所を散歩したり、雑貨屋やスーパー、コンビニなどに行ったりしていろいろなプロダクトを見て、あれこれと思いを巡らせながらインスピレーションを膨らませています。美術館や植物園も好きです。 注目しているのは、形状ですね。とにかく形をよく見ます。たとえば、植物園に行ったら、『この植物の形状は何かに似ているんじゃないか?』って考えるんですよ。そうすると、ハエトリソウという食虫植物が『財布のがま口に似てるな』と思ったり。 以前、お好み焼き屋に行ったときに見たかつお節が、なんだか鉛筆の削りカスに見えてきてしまって(笑)。そこから、『お好み焼き鉛筆削り』が誕生しました。 その瞬間は思いつかなくても、普段から見たもの聞いたものをインプットして頭の中で寝かせておくと、後で『あれとこれ、組み合わせたら面白いかも?』みたいなひらめきになったりもしますね」 ミチルさん流メソッド①「モノの形状までよく観察する」 →いつもと違った角度や目線で細部まで物事を観察、インプットしておくと、新しい発見やひらめきにつながる。