製薬業界で世界大手の一角、イーライリリーの中期戦略
世界で初めてインスリンの大量生産を実現したイーライリリー。がん、糖尿病、バイオ医薬分野に軸足をおいている(写真:ブルームバーグ)
アメリカ市場に上場している注目銘柄を取り上げる連載企画「はじめての米国株」。今回は製薬業界で世界大手の一角であるイーライリリー( LLY )を紹介する。 今2022年12月期は売り上げ横ばい、利益反転増を見込んでいるが、4~6月期(第2四半期)は新型コロナ関連などが不振で減収、純利益は大幅減と振るわない。それでも、複数の大型新薬が、2023年の発売に向けて開発中であり、これらの動向が注目されている。現在主力の糖尿病治療薬「トルリシティ」は2027年に特許満了予定であるが、新薬が成長することにより、中長期で安定成長が続くことが期待されている。 同社は、1876年にイーライ・リリー氏によって創業された製薬企業である。インスリンを世界で最初に実用化した会社として知られ、糖尿病治療薬の開発に強みを持っている。現在の同社の糖尿病治療薬には、「トルリシティ(2型糖尿病治療薬)」や「ジャディアンス(尿での糖の排出を促す薬)」のほか、性質の違う複数のインスリン製剤がある。 糖尿病関連の売上高は132億ドル(2021年実績)あり、全社売上高に占める構成比は47%に達する。糖尿病以外では、乳がん治療薬「ヴェルゼニオ」などのがん領域、乾癬治療薬「タルツ」などの免疫炎症性疾患といった製品群を持っている。
本文:2,592文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
大和証券 米国株執筆班