トランプ後の投資戦略の最適解は「株」と「ゴールド」にあり
リスクオンとなった米国株に死角は?(写真:ブルームバーグ)
アメリカ大統領選は拍子抜けするくらい、あっさりとトランプ勝利の結果が出た。原因はバイデン政権が残す「好景気、インフレ、高金利」といったマイナス面だろう。バイデン政権下では、インフレ・高金利で国民負担が増え、中低所得者層の生活が困窮し、経済格差(所得格差)に対する不満が高まった。そのため、第2次トランプ政権は、国内の中低所得者層へ向けた減税、関税、移民政策が主軸になるとみられている。 投票日翌日、11月6日のニューヨーク株式市場は、不確定要因が消えたということで恐怖指数(VIX指数)が20%程度低下し、16ポイント台となった。マーケットは金利上昇、株高などで反応した。 まず金利からみると、国民に寄り添うあまり第2次トランプ政権では財政政策が拡大する見通しだ。財政不安から金利が大きく上昇した。 株式では、S&P500やダウ平均のほか、中小型株で構成する「ラッセル2000指数」が6%上昇。株価上昇の反応は減税、規制緩和への期待による資産価格の上昇が背景だ。また個人消費の下支えを背景に、物色の裾野が広がった。しかし、「リスクオン」はニューヨーク市場に限った話のようだ。欧州株は関税拡大による景気懸念で下落するなど、トランプ新大統領への期待とリスクに市場が揺れている状況でもある。 国民に寄り添って、財政をバラ撒くほどトランプは「インフレ的」な大統領になる。そうなれば少なくとも、中間選挙までの次の2年間は金利上昇が最大のリスクになる。つまり足元の金利上昇は、財政悪化を問題視しているわけだ。減税の延長・拡大と関税上昇でインフレが刺激され、高金利政策に後戻りするリスクが浮上すると、マーケットは考えているのだろう。
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大山 季之