“いじめ確認できず”…宝塚側が調査結果を公表 遺族側は「再度検証」訴え
遺族側が「調査委員会に証拠として提出したものの認められなかった」と訴えるLINEのやりとりは他にもあるといいます。 亡くなった宝塚歌劇団員の遺族の代理人弁護士 「(上級生が)ヘアアイロンを当てやけどをさせたという事実を(劇団側は)認定していない」 劇団側が「調査で、上級生Aが故意に押しつけた事実はない」としたヘアアイロンの問題です。遺族側によると、女性はヘアアイロンでやけどをした後、母親にこんなLINEを送っていたといいます。 【亡くなった女性が送ったとされるLINEの内容】 「まえがみ」 「○○(上級生A)にまかれて」 「やけどさされた」 「ちゃいろになってる」 「わたし」 「でこ」 「さいあく」 「くすりもらってぬってるけど」 「芝居の通しが痛かった」 亡くなった宝塚歌劇団員の遺族の代理人弁護士 「家族や本人のLINEにも書いている証拠をすべて調査委員会には提出したにもかかわらず、なんらその問題について言及せず、やけどは大したことがないかのような」 調査報告書には、女性が診てもらった劇団診療所の看護師のヒアリングをもとに「ヘアアイロンでやけどをすることは、劇団内では日常的にあること」と書かれていましたが―― 亡くなった宝塚歌劇団員の遺族の代理人弁護士 「(母親によると)皮膚が赤くなり、3センチもめくれあがっている状態だったと。事実経過としては、ヘアアイロンは被災者が自分で使おうとしたのに対し、(上級生)Aが『髪を巻いてあげる』と言って、その結果、Aが操作するヘアアイロンによりやけどが発生した。こういうことがよくあることでは決してありません」 「加えて言えば、Aがわざとやったのではないと否定したとしても、これだけのケガを下級生にさせたのであるから、そのことについて被災者や関係者に対して深く謝罪すべきところ、何一つ謝罪を行っていません」 一方、今回の調査報告書を受けて劇団側が過重労働を行ったことを認定したことなどについては―― 亡くなった宝塚歌劇団員の遺族の代理人弁護士 「過重労働の問題は評価している、その問題の認定については」 一定の評価を示したものの、劇団側が認定した労働時間については「実態より少ない」と指摘しました。 ◇ 東京宝塚劇場では14日も公演が行われ、ファンが続々と入場していきました。 今回の会見、ファンはどう受け止めているのでしょうか。 ファン歴約30年の人 「深夜遅くまでみなさんが稽古しているのは、ファンはみんな知っているので、これからみんな自分の体のことも気をつけてお稽古していっていただければいいなと。みんなが笑顔で過ごせる環境で今までのような素晴らしい舞台を作っていってほしい」 宝塚ファン 「亡くなった方のことを思うと本当に心が痛むんですけど、とにかく改善して、新しい時代に合わせた運営をしてもらえたら」 今後、遺族側は劇団側に意見書を提出し、11月末までに対面での交渉を行う予定だといいます。 補償や謝罪について具体的なことは決まっておらず、劇団側は「きちんと話して対応させていただきたい」としています。 (11月14日放送『news zero』より)