自衛隊「特定秘密」不正 新たに100件確認、数百人規模か 防衛省
自衛隊が「特定秘密」を不適切に取り扱っていた問題で、自衛隊員の出向を伴う人事異動の際に必要な手続きを怠るなど、不正が新たに約100件確認された。関係者への取材で判明した。防衛省は不正に関わった隊員の処分を順次進める方針で、対象者は数百人規模に上る可能性もある。 国の安全保障に関わる情報の特定秘密を扱うには、身辺を調べる「適性評価」をクリアしなければならず、資格を持っていても出向先などで特定秘密を扱う場合は取り直す必要がある。 関係者によると、装備品を研究開発する防衛装備庁と元の所属先などを自衛隊員が人事異動で行き来する際、必要な適性評価を実施せず、資格の再取得手続きを怠っていた不正が相次いで確認された。これまでは空自のみだったが、新たに海自などでも確認され、制度に対する認識不足や誤解が要因とみられる。 このほか、特定秘密が含まれる書類を誤って廃棄したり、関連データを不正に保存したりしたケースも発覚したという。 特定秘密を巡っては防衛省が7月、海自の艦艇を中心に不適切な取り扱いが計58件あったとして、当時の海上幕僚長をはじめ約120人を懲戒などの処分とした。防衛省は他にも不正がないかどうか継続調査していた。【松浦吉剛】