<ネット党首討論>(1)安倍政権の2年間をどう評価するか?【全文書き起こし&動画】
衆議院選の公示を12月2日に控え、「ネット党首討論」(ネット事業者7社「わっしょい!ネット選挙」主催)が29日夜、都内で開かれた。8党党首が「安倍政権2年間の評価」「経済政策」「安全保障」などをテーマに議論した。 自民党の安倍晋三総裁、民主党の海江田万里代表、維新の党の江田憲司共同代表、公明党の山口那津男代表、次世代の党の平沼赳夫党首、共産党の志位和夫委員長、生活の党の小沢一郎代表、社民党の吉田忠智党首が出席した。
■全文書き起こし
------------------------------------------------------ 角谷:ただ今よりネット党首討論、各党代表者のご登壇です。まずは社会民主党、吉田忠智党首です。生活の党、小沢一郎代表です。日本共産党、志位和夫委員長です。次世代の党、平沼赳夫党首です。公明党、山口那津男代表です。維新の党、江田憲司共同代表です。江田代表は今こちらに向かっております。ご到着次第、入っていただきます。民主党、海江田万里代表です。最後に自由民主党、安倍晋三総裁です。 さあ、皆さん。これよりネット討論会、始めてまいりたいと思います。皆さん、こんばんは。ニコニコ動画コネクターの角谷浩一です。今夜の党首討論は総選挙の論戦のスタートとなります。また、衆議院選挙では初めてのネット選挙解禁ということにもなります。 冒頭は総選挙の争点であります、安倍政治の2年間の評価についてそれぞれお話をいただきたく存じます。そこから今日の討論会を始めてまいろうと思っておりますけれども、まずひと言、一言(いちごん)申し上げます。告示前のご多忙の中、各党首の皆さんはご足労いただきまして、ありがとうございました。これから約半月間、選挙戦に突入するわけです。今日は思いの丈をいろいろネットの中のユーザーの皆さんに、ぜひ発信していただきたいと思います。 同時にこの半月間、全国を回って国民の声を各党とも聞いてください。国民の声がどんなものか、ぜひ聞いていただいて、皆さんの政治活動に生かしていただきたい。また、選挙活動に生かしていただきたいと思います。 では、始めていきたいと思います。さて、安倍総裁におきましてはこの2年間の実績についてお話しいただきたいと思います。なお、お時間は1人1分と、大変申し訳ないんですけれども各党の皆さんに、それは同じようにさせていただきます。1分を過ぎますと合図の音が鳴ります。例え途中でもお話は切らせていただくことになります。 ではまず、自由民主党総裁、安倍晋三さんよりお願いします。 安倍:2年前もここ、nicofarreからスタートしました。日本を取り戻す。そうお約束をして2年がたちました。東京オリンピック・パラリンピックに誘致を成功し、2020年に大きな目標ができました。雇用を改善し、賃金は上がっています。15年苦しんだデフレからやっと脱却するチャンスをつかみました。しっかりとアベノミクスを進め、国民生活を豊かにしてまいります。 国民の命を守り、そして幸せな生活を守るため、集団的自衛権の一部行使を容認する閣議決定を行いました。法整備を進め、日本人の命と領土、美しい海をしっかりと守ってまいります。安全保障も外交も経済もこの道しかない。しっかりとこの道を進んでまいります。ありがとうございました。 角谷:はい。では続いて海江田さんお願いします。 海江田:はい。こんばんは。民主党代表の海江田万里です。今度の総選挙に大義がないと。これは私も全国を回っていまして、多くの国民の方がそう感じていることと思います。そしてもう1つ、今回このタイミングで解散を行うことによって、安倍総理は国民にうそをついたことになります。それは言うまでもありません。2年前の党首討論、当時の野田総理と安倍自民党総裁の間で消費税を上げると。しかし自らも痛みを伴うということで、これは議員定数の削減をやるということを約束しました。国民の前で国民に約束をしたわけです。しかもそのときは、次の通常国会でこれは実行するということを言ったわけですが、もちろんこの国会では行われなかった。そしてついに解散になってしまったということです。 そしてそれから集団的自衛権の問題。国民の声を聞いていません。それから特定秘密保護法の問題もそうです。このままでは安倍政権に任せておいたのでは日本が危ないと。私たちはそれをしっかり対峙をしてまいります。 角谷:はい。ありがとうございます。山口さんお願いします。 山口:はい。2年前に政権交代を果たし、自由民主党と公明党は政権合意を作って出発をいたしました。最優先課題は経済の再生である。東日本大震災の復興のスピードアップであります。同時に政権取る前に決まっていた、社会保障と税の一体改革もこの政権で判断をする運命にありました。 経済再生は3つの矢を放って、さまざまな効果を生み出してまいりました。そして消費税の8パーセントへの引き上げを行ったわけでありますが、その効果を見定めて次の10パーセントの引き上げを1年半延期し、そして再延期をしない。それに伴って軽減税率を導入、目指すということを方針を決めました。そのことの真意を問うという、今回の選挙であります。 安全保障については憲法の論理的整合性を守り、規範性、つまり歯止めを維持して、これからもそれをずっと守っていくという法的安定性を確保しました。 角谷:はい。ありがとうございます。平沼さん、お願いします。 平沼:私はこの2年間の安倍政治というのは及第点をあげることができると思っております。確かに雇用も回復したし、給料も上がったし、株価も上がった。そういうことは及第点をあげることができると思いますけれども、地方はまだ疲弊しておりますし、第1の矢、第2の矢というのはうまく機能したと思うのですけれども、第3の矢に具体性がないんです。 ですから、これから本当に親身になって成長戦略というものをやっていかなかったら、このまま改革というものを成し遂げることは私はできないと。このことを心配しておりまして、そういう意味ではわれわれとしても努力をして応援をしていきたいと、このように思っているところであります。 私からは以上であります。 角谷:はい。ありがとうございます。では志位さん、お願いします。 志位:安倍政権の2年間というのは、あらゆる分野で国民の民意に背く、暴走の2年間だったと思います。私たちは安倍政権の暴走をストップ、日本の政治の5つの転換を訴えて選挙戦を戦います。 第1は消費税10%は中止し、富裕層や大企業への応分の負担を求めるなど、消費税に頼らない別の道に切り替えることです。第2は格差拡大のアベノミクスストップ。国民の暮らし第一で経済を立て直すことです。第3は海外で戦争をする国づくりをやめさせ、憲法9条の精神に立った平和の外交戦略で地域の平和と安定を築くことです。第4は原発再稼働ストップ。原発ゼロの日本への転換です。そして第5は沖縄の米軍新基地建設は中止し、基地のない、平和で豊かな沖縄をつくることです。 日本共産党が伸びれば日本の政治は変わります。どうかよろしくお願いいたします。 角谷:では小沢さん、お願いします。 小沢:生活の党の小沢一郎でございます。われわれ生活の党は国民の生活が第一という政治理念の下で活動してまいりました。従いまして、自由競争、市場原理を優先する安倍政権、アベノミクスの考え方とは相いれません。 例えば雇用につきましても非正規雇用がすでに40%。これをさらに拡大していこうという考え方でおられます。それでは本当の国民の生活の安定はできません。私どもといたしましては正規雇用を、きちんと歯止めをかけてやっていくと。また、いろいろな形で国民生活に必要な分野については、セーフティネットを充実する。それによって初めて景気も良くなる。そのように考えております。 角谷:では吉田さん、お願いします。 吉田:社会民主党の吉田忠智でございます。世界一企業が活動しやすい国として進められてきましたアベノミクスは、一部の大企業や富裕層、大都市を優遇する一方で、中間層、中小企業、農家、地方を切り捨ててきました。消費税増税、そして急激な円安。年金や医療や介護などの改悪。そして労働法制の規制緩和など。また、農業や地域社会を衰退をさせるTPPの推進、米価下落など、国民生活が破壊をされようとしております。 また、戦争ができる国づくりとして、特定秘密保護法の強行。また、集団的自衛権行使容認の閣議決定。そして武器輸出の解禁など、平和憲法が骨抜きにされようとしております。東京電力福島第一発電所の事故の教訓をしっかり生かしていないと考えています。