21世紀枠 平田に春の便り 「甲子園で校歌を」(その1) /島根
<センバツ2020> ついに憧れの地への切符をつかんだ。兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で3月19日に開幕する第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の選考委員会が開かれた24日、2年連続3回目の21世紀枠候補校に選ばれていた平田(出雲市)が春夏通じて初の甲子園出場を決めた。県勢のセンバツ出場は2016年の開星以来で、21世紀枠での出場は13年の益田翔陽以来4校目。選手たちはガッツポーズをしたり胴上げをしたりして喜びを爆発させ、夢舞台での活躍を誓った。【鈴木周】 ◇初出場、喜び爆発 この日午後3時過ぎ、報道陣や学校関係者が見守る中、校長室に吉報を知らせる電話が入った。受話器を取った坂根昌宏校長は「21世紀枠に選んでいただき大変光栄」とあいさつして笑みを浮かべると、室内は大きな拍手に包まれた。 坂根校長はグラウンドで選手たちに「センバツ出場が決定したという連絡が入った。甲子園出場おめでとう。最高の舞台で持てる力を存分に発揮してほしい」と伝え、選手たちは「ありがとうございます」。その後、選手たちは在校生への報告会に臨み、大歓声の中で校歌を斉唱した。 保科陽太(ひなた)主将(2年)は「守備からリズムを作って攻撃につなげる野球を披露し、甲子園でも校歌を」と力を込めた。 平田OBである植田悟監督は選手時代に届かなかった母校の甲子園出場に「監督として後輩たちを甲子園に連れて行く目標を達成できて心からうれしい。選手たちが全国の舞台で躍動する姿を見せたい」と声を弾ませた。 ◇生徒や保護者見入る 号外配布 毎日新聞社は24日、平田のセンバツ出場を伝える特別号外を同校で配った。チームの戦績や幼児に野球を教える選手の様子などを紹介する紙面に、生徒や保護者らが見入った。3年の河瀬幸大さん(18)は「部員の努力が実ったと思う。地域の人と一緒に盛り上げていく学校になってほしい」。次男が野球部員の坂田優子さん(44)は「甲子園の経験を積ませてもらえることが光栄。何事にも立ち向かうよう成長してほしい」と期待した。【柴崎達矢】