PHEV化したベントレー新型「フライングスパー」に試乗! モーターにV8ツインターボが加わった加速はW12を凌ぐ勢いでした
純粋に走りを楽しむのならばスポーツモードが最適
ベントレーから第4世代に相当する「フライングスパー」が2024年9月に発表されました。ちなみに初代フライングスパーが誕生したのは、今から20年ほど前の2005年のこと。以後フライングスパーは、その圧倒的なパフォーマンスと高級感に満ちあふれたエクステリアやインテリアのフィニッシュで、多くのリッチなカスタマーの心を刺激してきました。今回はV8搭載のプラグインハイブリッドを搭載した新型「フライングスパー スポーツ」の試乗インプレションをお届けします。 【画像】内装も豪華で注目! ベントレー「フライングスパー スピード」を見る(全65枚)
V8エンジン+エレクトリック・モーターを組み合わせた
その第4世代のフライングスパーで特に注目しなければならないのは、パワーユニットとして採用された「ウルトラ・ハイパフォーマンス・ハイブリッド」システムだ。これまで6LのW型12気筒エンジンをフラッグシップモデルのトップモデルに搭載してきたベントレーだが、この第4世代に至って、新型のV型8気筒エンジンにエレクトリック・モーターを組み合わせることに成功。それぞれの最高出力と最大トルクは600ps/800Nm、そして190ps/450Nmと発表されており、システム全体での値は782ps/1000Nmという驚くべき数字を達成している。それを搭載するのが今回の試乗車、「スピード」だ。 このパワー&トルクが負担する重量はグロスで3215kg。それを考えあわせても、ベントレーが新型フライングスパー スピードを形容した「4ドア スーパースポーツ」という言葉に偽りはない魅力的な走りが楽しめそうだ。 そう、フライングスパーは昔から、ドライブしても、あるいはパッセンジャーとして後席に身を委ねても至上の歓びを感じさせてくれるクルマだった。それがフルモデルチェンジによってどれほど進化したのか。まずはもちろんドライバーシートを選択して、ドライブを始めることにした。
アクセル開度が75%を超えるとV8エンジンが目覚める
それにしても、なんとフォーマルに、そして美しく、また力強く仕上げられたボディデザインなのだろうか。ボディサイドを流れるラインはエッジがあって実にシャープな造形で、22インチ径10スポーク・ホイールとの組み合わせで前後フェンダーとともにフットワークの力強さを演出している。 従来までのW12型エンジンと比較して、最高出力では19%、最大トルクでは11%の強化となるウルトラ・ハイパフォーマンス・ハイブリッドは、デフォルトともいえるドライビングモード「B」では十分に充電されているかぎり、いわゆるEVモードで起動する。 バッテリーの搭載量は25.9kWhで、最大値では76kmのゼロエミッション走行を可能にするそうだ。その加速は実にスムーズだが、車速が140km/hを超えるか、アクセル開度が75%を超えるとV型8気筒ツインターボエンジンも始動。782psをフルに使った4ドア スーパースポーツの真価を試すには、ここからが勝負ということになる。