死にゆく場所ではなく生きる場所。TSURUMIこどもホスピスで幸せな生き方を考える
高場秀樹 公益社団法人 こどものホスピスプロジェクト代表理事。株式会社ワントゥーテン取締役。重い病気をもつ子どもの親として、病気をもつこどもや家族が気軽に集い安らげる場の必要性を感じ、当法人を結成し、代表理事に就任。経営ノウハウを活かし、こどもホスピスの経営面を担当。
原純一 こどものホスピスプロジェクト副理事長。2008年、大阪市立総合医療センター副院長に就任。 2010年には子ども向けのホスピス一般社団法人こどものホスピスプロジェクトを立ち上げる。TSURUMIこどもホスピス副理事長に就任。2022年に大阪市立総合医療センターの顧問に就任。
西出由実 看護師。TSURUMIこどもホスピスでは広報も担当。2009年に実施された、シスター・フランシスのシンポジウムに参加し、こどものホスピスプロジェクトにボランティアとして参加。TSURUMIこどもホスピスには2016年の設立準備時からスタッフの一員として携わる。
「最初は鼻で笑われました」
── 最初に、簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。 高場 じゃあ、僕から。高場です。代表理事として、「こどもホスピス」がこうなったらいいなという理想やイメージを、現場の方々にお伝えし、運営を支えている立場です。よろしくお願いします。 原 原です。小児科医として、このプロジェクトに関わっています。高場さんの指示も仰ぎつつ現場で子どもたちと日々過ごしています。 西出 西出です。看護師ですが「こどもホスピス」ではケアスタッフとして働きつつ、広報の窓口もしています。 ── ありがとうございます。日本初の子どもホスピスということで、多くのメディアにも注目されてきたと思いますが、設立当初と運営して数年経った今とで、どんな変化があったのか教えていただけますか。 高場 創設前は、鼻で笑われたこともありました。すべて寄付金で運営するやり方が、日本ではなかなかメジャーではないこともあって。 原 鼻で笑われたって、初めて聞いた。知らんかった。 西出 どこかのシンポジウムの会場で開設に6億円必要と発表したら、失笑やったんですよね。 高場 めっちゃ鼻で笑われました(笑)。 西出 2009年に、大阪の中之島中央公会堂でシンポジウムが開催されました。この時、シスター・フランシスさんの講演を聞きましたが、私も正直、日本でやるなら30年はかかるだろうなと思いました。チャリティーで運営なんて想像もつかなかった。 原 僕もあのとき「(こどもホスピスのような場所は)永遠にできない」と思ってた。高場さんみたいなスーパースターが突然降臨してくれるなんて予想していなかったから。