「体内時計」に従えば仕事がサクサク捗る!? ハーバード&ソルボンヌ大学医師が教える“概日リズム”活用術
私たちの体にある、「サーカディアンリズム」(概日リズム)をご存知でしょうか? サーカディアンリズムは体内時計が刻む生体リズムのことで、私たちの細胞には時計遺伝子があり、1日=24時間11分というリズムが刻まれているのだそうです。 ハーバード大学・ソルボンヌ大学で医師を務める根来秀行先生の著書『ハーバード&ソルボンヌ大学ドクターが教える! 超休息法』では、このサーカディアンリズムを活かして休息を取り入れば、パフォーマンスはもっと上げられる、と説きます。そこで今回は根来先生の著書から、日中の仕事もサクッと捗る「朝~夕方までの過ごし方」をご紹介します!
1日=24時間11分の「サーカディアンリズム」を活かそう
夜、寝ている間も、私たちの体はエネルギーを消費しながら稼働しています。呼吸を繰り返し、心臓が働いて血液を循環させ、体の隅々まで栄養と酸素を運んで細胞を修復しています。一方で、睡眠中の内臓の働き、細胞の活動によって、エネルギーの消費は睡眠中も続いています。 そのため、起床時の体はエネルギーが不足している状態です。よって、仕事や家事といった活動を始める前にエネルギーを補給する必要があるのです。 また、朝食にはエネルギーを補給する以外にも、体内時計の調整という重要な役割があります。 全身の約37兆個の細胞の中に存在する時計遺伝子はリズムを刻んでいます。全身の時計遺伝子を司るのが、脳の視床下部の視交叉上核という場所に存在する1万個以上の時計細胞で、これが親時計です。 そして、全身の細胞に子時計があります。この時計遺伝子によって、1日=24時間11分というサーカディアンリズムが刻まれているのです。 体内時計を整えるためには、平日も休日もある程度同じ時間に起床して親時計をリセットし、朝、昼、晩と規則正しく食事をとって子時計のリズムを合わせることが大切です。実は、食事の周期に合わせて時計遺伝子がリズムを刻む腹時計が、脳の視床下部背内側核や小腸にあることがわかっています。 古くから空腹具合で時間が推測できることを“腹時計”と呼んできましたが、比喩ではなく本当に体内に実在していたというわけです。