26年ぶり出場の掛川西(静岡)は「古き良き」伝統校! ユニフォーム・応援スタイルは必見! “高校野球文化”が薫る【2024甲子園・注目チーム紹介】
静岡県の伝統校・掛川西が26年ぶりの甲子園出場をはたした。26年前といえば、1998年第80回記念大会。松坂大輔フィーバーが起きた年である。当時の1番ショートが大石卓哉監督だった。 【トーナメント表】甲子園大会 2日目までの結果一覧 掛川西は、県立の進学校でもあり、静岡県内では「カケニシ」と呼ばれ、静岡高校とともに人気が高い。県内でも「カケニシ」の甲子園出場は大きな盛り上がりを見せている。 そんな掛川西が、明日の第4試合に登場。日本航空(山梨)と対戦する。
静岡県の高校野球事情
掛川西野球部は1901年に創部され、夏5回、センバツ4回の出場があり、1975年センバツではベスト8入り。1964年の第46回大会では八代東との開幕試合が延長18回引き分け再試合になったという記録も持っている。元DeNAの赤堀 大智外野手ら7人のプロ野球選手を輩出。そんな伝統校だが、近年は甲子園が遠ざかっていた。 静岡県では、部活動の活性化が教育の一環として重視されている。中学時代に部活動などのスポーツ活動で実績を上げている生徒に対して、高校側は入試成績とは別に入学を許可する“学校裁量”という制度があるのだ。静岡や掛川西の野球部、藤枝東のサッカー部など全国レベルで活躍している進学校のスポーツ部は、そうした制度を利用して強化がなされてきた。また、過去には静岡や静岡商、浜松商、韮山らの公立校が全国で頂点を競ったという実績もあり、今でも県内には根強い公立校人気がある。 しかし、近年、静岡県でも私立校が様々な条件で有望選手を獲得している。そのため全国制覇を果たした常葉大菊川(当時常葉菊川)をはじめ、昨夏に初出場を果たした浜松開誠館や報徳学園で全国制覇の実績のある永田裕治監督を招聘して2022年に春夏と連続出場を果たした日大三島、さらには東海大静岡翔洋、磐田東、藤枝明誠、飛龍などの私学勢の躍進が著しい。 そんな中で、公立校では静岡高校の一人勝ち状態が続いていた。2009年のセンバツを最後に甲子園から遠ざかっていた掛川西は静岡高の部長・副部長として計5回の甲子園出場を果たし、指導者としての実績を積んでいた大石監督を母校に呼び戻し、2018年4月から監督に就任。大石監督は切り札的な存在として名門復活を託されたのだった。 大石監督の指導力に惹かれ、実力のある中学生が徐々に集まってきた。21年夏、22年夏はベスト4、23年夏はベスト8と着実に結果を残し、ついに今年、26年ぶりの夏の大会優勝につながった。