26年ぶり出場の掛川西(静岡)は「古き良き」伝統校! ユニフォーム・応援スタイルは必見! “高校野球文化”が薫る【2024甲子園・注目チーム紹介】
「上手い選手」よりも「強い選手」
大石監督は、今年のチームを「すべて、キャプテンの山下のチームです」と称するほど山下陸人主将(3年)のキャプテンシーを評価している。「誰よりも早くグラウンドに出てきて、誰よりも最後までグラウンドに残っている男です。本当な野球が好きなんですね。そんな思いに、選手みんながついていっています。私もついていっています」と、笑いながら語っていた。 今年のチームのモットーとしては「上手い選手よりも強い選手」を掲げている。大会を通じて全員が「強い選手」になっていった。 チームそのものの戦力としては、今年のドラフト候補に挙がるヤマハの沢山大成投手を擁した2021年のほうが上だっただろう。今年は突出した選手がいない中、夏の静岡大会を戦い抜いた。試合をしていく中でよりまとまりが強くなっていった「カケニシ」こそ、大石監督が目指していた野球だったのではないだろうか。 静岡大会準決勝では「いつでも甲子園での応援はスタンバイできていますよ」と言わんばかりの大応援団が草薙球場に押し寄せた。まるで甲子園のアルプススタンドではないか、と思わせるくらいの盛り上がりだった。その応援スタイルは、静岡県の学校特有の整然としたものだ。掛川西がこの応援スタイルを伝統として維持しているということは、高校野球の文化継承として、とても良いことだ。また、漢字で「掛川西高」と書かれた純白のユニフォームも、「高校野球の伝統校らしい」と、一部高校野球ファンの中では人気である。 古き良き伝統を持つ掛川西が令和の甲子園でどのような戦いを見せてくれるのか。非常に興味深い。