〈これでいいのか少子化対策〉待機児童2567人―6年連続の最少更新 : 隠れ待機児童は7万人で高止まり
国が集計する待機児童数は着実に減少している。しかし、人気の駅近保育園は競争率が高く、仕事復帰を遅らせざるをえないなど、隠れ待機児童は高止まり。
こども家庭庁の集計で、2024年4月1日時点で認可保育所などに入所できない待機児童は前年比4.2%減の2567人となり、6年連続で最少を更新した。少子化で就学前人口が減少しており、直近のピークである2017年の2万6081人から、7年で10分の1まで減少したことになる。
市区町村別では、全体の87.5%に相当する1524自治体で待機児童ゼロを達成。 一方、待機児童の6割は首都圏や近畿圏やその他の政令市などの都市部に集中している。待機児童が100人以上だったのは滋賀県大津市の184人と兵庫県西宮市121人の2市のみ。
「申し込み時に特定の園のみを希望していた」「希望の保育施設に入れず、親が育児休業期間を延長した」など国の集計からは除外される “隠れ待機児童” は前年より4864人増の7万1032人と高止まりしている。特定の園のみを希望するのは、通勤経路を考慮したり、きょうだいと同じ園でなければ仕事からのお迎えが間に合わないなどの事情があるケースが多く、子育てと仕事を両立したい人のニーズを十分に満たしているとは言えない。