2023年度の飲食業倒産、過去最多を更新し930件に 「宅配・持ち帰り」「ラーメン店」「焼肉店」「居酒屋」が苦境
業種別 全業種で増加、「すし店」「持ち帰り飲食サービス業」が前年度比倍増
業種小分類別では、全業種で前年度の件数を上回った。最多は日本料理店や中華料理店、ラーメン店、焼肉店を含む「専門料理店」の235件(前年度比71.5%増、構成比25.2%) だった。以下、「食堂,レストラン」が202件(同51.8%増、同21.7%)、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」が173件(同35.1%増、同18.6%)の順。 業種細分類では、「ラーメン店」(63件、前年度比173.9%増)と「持ち帰り飲食サービス業」(56件、同107.4%増)、「宅配飲食サービス業」(66件、同53.4%増)の3業種が過去最多を更新。「持ち帰り」と「すし店」(30件、同100.0%増)は倍増した。 また、「居酒屋」は2020年度(175件)に次いで、「焼肉店」(31件、同93.7%増)は2012年度(33件)に次いで、それぞれ過去2番目の多さだった。
原因別 『不況型』倒産が約9割
最多は「販売不振」の766件(前年度比57.6%増、構成比82.3%)だった。 増加率では、「他社倒産の余波」の前年度比91.3%増(23→44件)や「事業上の失敗」の同65.0%増(20→33件)で増加が目立った。 『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は817件(前年度比57.1%増)だった。飲食業倒産に占める構成比は87.84%(前年度87.83%)で、前年度とほぼ同水準。
負債額別 負債1億円未満が8割超え
負債額別では、最多が「1千万円以上5千万円未満」の674件(前年度比73.7%増、構成比72.4%)だった。「5千万円以上1億円未満」の130件(同18.1%増、同13.9%)と合わせ、負債1億円未満の倒産は804件(同61.4%増、同86.4%)で、全体の8割以上を占めた。 一方で、増加率の最大は「10億円以上」の前年度比133.3%増(3→7件)で、飲食業倒産は規模の二極化が進んでいる。
都道府県別 増加30、減少15、同数2
増加が30都道府県、減少が15県、同数が2県だった。 10件以上発生した都道府県では、増加が、熊本900.0%増(1→10件)、山口500.0%増(2→12件)、群馬350.0%増(4→18件)、兵庫228.0%増(25→82件)、福岡221.0%増(19→61件)、広島115.3%増(13→28件)、富山100.0%増(5→10件)、東京97.4%増(78→154件)、和歌山87.5%増(8→15件)、三重87.5%増(8→15件)、愛知61.3%増(44→71件)、滋賀60.0%増(10→16件)、神奈川56.5%増(23→36件)、栃木54.5%増(11→17件)、奈良50.0%増(10→15件)、大阪42.6%増(75→107件)、京都41.3%増(29→41件)、静岡28.5%増(14→18件)、北海道27.7%増(18→23件)、千葉20.0%増(15→18件)、宮城6.6%増(15→16件)。 減少は、埼玉27.7%減(18→13件)と新潟33.3%減(15→10件)、前年度同件数は茨城(13件)のみ。