【先行試乗】スズキ フロンクスは4WDがオススメ?ライバルを凌ぐ上質感を手に入れた期待の新星
ライバルを凌ぐ扱いやすいボディサイズと充実した装備が特徴
フロンクスが日本国内で戦うフィールドは、ライバルがひしめくコンパクトSUV市場です。先述のヤリスクロスやWR-Vのほか、マツダCX-3やダイハツロッキーなど、実に多様なラインナップを各社が揃えています。この市場は彼らのベースとなるヤリスやフィット、マツダ2といったBセグメントハッチ郡の勢いを凌駕していると言えます。 フロンクスのボディサイズは全長3995×全幅1765×全高1550mmと、3ナンバー車でありながら、かなり小さな体躯をもつクーペSUVです。なにより、全高は都心部の立体駐車場などで歓迎される数値となり実用性に優れています。その一方で2520mmもあるホイールベースのおかげで、リアシートの居住性もかなり高いことには驚きです。さすがパッケージングに優れるスズキ車だと思いました。 あの激戦区に後だし参戦する立場にあるフロンクスですから、当然装備面も充実しています。まず特筆すべきは電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能が標準装備されている点。これによりアダプティブクルーズコントロール(ACC)や車線維持支援機能(LKA)も備わっており、運転支援技術へのアドバンテージが認められます。 またシートヒーターやヘッドアップディスプレイも備わっており快適性も上々。外装部ではウインカーを含む灯火類が前後ともにLEDが採用されるほか、テールライトは横一文字に光っているなど見た目の先進感もポイントとなるでしょう。さらにマイルドハイブリッドの搭載や、2WDと4WDの選択ができる点なども魅力です。
奇抜なデザインは好みが分かれそう?インテリアは実にシンプル
実際に対面してみると、かなり特徴的なフロントマスクに目が向きます。日本人のデザイナーが考案したというこの奇抜なデザインですが、これを採用したのにはキチンとした理由がありました。 スズキによると、このフロントマスクは「クルマが溢れる街中でも埋没することの無い、ユニークで個性を主張するデザイン」と謳っています。すなわち、多くのライバルがいるコンパクトSUVセグメントにおいてはとくに、存在感を示すためのアイキャッチなデザインが必要だったと言います。 やや好みが分かれそうな気もしますが、ひと目でフロンクスと認識できる点やLEDの灯火類によって、目新しさはバツグンです。素直にカッコいいと思えるものでした。 続いてインテリアは、新型スイフトにも似た最新世代のスズキデザインが採用されています。ブラックとボルドー(濃紅色)の2色が組み合わされたインテリアは、存在感のある金属フレームとともに、力強い印象を与えてくれます。 残念ながらインパネ周りにおけるソフトパッドの採用は認められず、オール樹脂パーツで構成されています。が、配色や加飾パーツを巧みに組み合わせることによって安普請な雰囲気はまったくありません。 シートは好印象なかけごこちで、お尻をやや沈みこませながら張り出しのあるサイドサポートで上半身をしっかりと固定してくれます。またドライビングポジションは取りやすく、テレスコピック&チルトのハンドル調整は可動域が大きいため、スイフトと同様、非常に「走り」への気合いを感じさせる仕上がりでした。