大河ドラマ『光る君へ』藤原妍子役で話題・倉沢杏菜「おそるおそる現場に行く感覚もありました」
大河ドラマ『光る君へ』での藤原妍子、NHK夜ドラ『VRおじさんの初恋』のアバターの少女ナオキなど、今年のドラマで印象を残す役が続いている俳優・倉沢杏菜。11月23日からは初めての出演舞台『138億年未満』が東京・本多劇場で上演される。デビューからまだ2年にしてブレイク中の19歳に、近況や芸能界を志した原点を聞いた(前後編の前編)。 【写真】デビュー2年にしてブレイク中、倉沢杏菜の撮り下ろしカット【11点】 ――『138億年未満』は倉沢さんにとって初めての舞台になります。 倉沢 稽古まっただ中ですが、すでに緊張しています。というのも稽古場で目の前に演出の福原充則さんや各部署のスタッフさんが勢ぞろいしていて。さらに出番でない演者さんの視線も浴びながら演じるのが、毎回オーディションを受けているような感覚になります。 ――役に入っている時は、いつも緊張するんでしょうか。 倉沢 そうですね。今この(取材の)瞬間も緊張しているんですけど(苦笑)…だからといって無口になったりしないで、むしろ明るく振舞っていたくなります。それもあって、内心バクバクしているのに、他の人からは落ち着いているように見えているのかも。 ――『138億年未満』はオーディションで決まったそうですね。 倉沢 ちょうど、NHKでの『VRおじさんの初恋』の撮影が終わって、あまりにも大きな経験だったので、これから現場で学んだことやこれからやることで少し頭が整理しきれないときにオーディションを受けたんです。オーディションで久しぶりにダンスを踊ったり、ワークショップのように即興劇ができて、久々に演じる楽しさを味わえました。 ――『VRおじさんの初恋』の経験がはいかがでしたか? 倉沢 3ヵ月かけて撮影しましたが、1人でカメラの前に立つのも、これだけ長く一つの役になりきるのも初めてでした。私は野間口徹さん演じる直樹という独身サラリーマンの、VR空間でのアバター・ナオキという女の子でした。カメラの前で泣くのも初めてで、大役ゆえの不安や悩みもありました。 ――ナオキは独特のツインテールの女の子で、インパクトもありました。 倉沢 VR空間で井桁弘恵さん演じる美少女ホナミにナオキが恋してしまうんですが、井桁さんとの二人芝居の場面がとても多くて。例えば、学園ドラマでも二人だけの場面ってなかなか経験できないと思います。井桁さんや吉田照幸監督、スタッフさんと役作りで密にコミュニケーションができて、贅沢な時間でした。とにかく学んだことが多かったので、これからのお仕事にどう活かしていくべきか整理しきれていない時に『138億年未満』のオーディションがあって吹っ切れました。お芝居が好きだという原点に改めて気付かされました。 ――そのあと、夏には『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)があって、『光る君へ』に出演しています。 倉沢 私以上に両親と祖母も喜んでくれました。大河ドラマが世代を越えて愛されているんだなって実感しましたし、うれしいとともに「私が出演させていただいてもいいんですか」とおそるおそる現場に行く感覚もありました。