大河ドラマ『光る君へ』藤原妍子役で話題・倉沢杏菜「おそるおそる現場に行く感覚もありました」
大河ドラマでの役作り
――藤原妍子はどんな風に役作りを? 倉沢 華やかで傍から見るとわがままなところもありますが、やりたいことを貫く意志の強い人だと考えました。本当は愛してほしいのに入内した三条天皇には娍子という、長年連れ添った方がいて。年齢も離れていて、なかなか満たされない。 姉の彰子は一条天皇と仲良しで、本人も才能豊かな姉です。妍子自身にはしっかりと意思があるのに、政略結婚をさせられて思い通りにいかないことも多くて。彼女なりに頑張って生きているところに共感してもらえればと思います。 ――妍子は次女ですが、『妹らしさ』を意識したりはしましたか? 倉沢 私は長女ですが、母も父も次女、次男なんです。だから上にきょうだいがいる心境は、家族の話からうっすらと知っていました。その上で、妍子と彰子は姉妹であることにこだわらずに、人として対等な仲で生きているなと思って。姉のことは認めつつも、のびのびとした妹でいようとしましたね。 ――姉の彰子を演じられた見上愛さんの印象は。 倉沢 いらっしゃるだけで周りの空気が綺麗になる、清らかな方ですよね。現場でご一緒して、やさしさと彰子らしい凛とした賢さも感じました。だから妍子としては、彰子の人柄に左右されないしなやかな心を持っていこうと思ってカメラに向かっていました。 ――去年の春に高校も卒業して、大学にも進学しましたね。 倉沢 中学生くらいの頃から、海外の文化に近づきたくて英語も勉強して、中学で英語の弁論大会にも出ていました。留学もしたくて留学ができる高校に進んだのですが、コロナでそれどころではなくなってしまって。まだ不完全燃焼だったので、大学でもっと文化を学びたくて進学しました。 ――『ビリオン×スクール』では一軍女子の松下リナ、それに『光る君へ』の妍子、『138億年未満』のダンスが得意な大学生野沢真子と、明るいキャラクターの役が多いです。 倉沢 今はシリアスなドラマより、ハッピーな作品に出演することの方が多いですね。でも見る側と演じる側では心構えも違ってきますし、意外な発見もありそうだなと思うのでシリアスやホラー作品もやってみたいですね。 ▽profile 倉沢杏菜(くらさわ・あんな)2005年3月18日生まれ。デビューからまだ2年ながら、2024年には、NHK大河ドラマ『光る君へ』をはじめとして、『VRおじさんの初恋』(NHK)『ビリオン×スクール』(フジテレビ)など話題作に出演。11月12月には、初めての舞台『138億年未満』【11月23日(土・祝)~12月8日(日)・本多劇場/12月12日(木)~12月16日(月)/サンケイホールブリーゼ】に出演する。 【後編】5千人オーディション合格から2年で大河ドラマに、注目女優・倉沢杏菜の原点「思い出作りのつもりだった」は下の関連記事からご覧ください。
大宮高史