気温50℃! 熱波による死者は年間推定約50万人…世界各地を襲う「殺人猛暑」の破壊力
国連のグテーレス事務総長から衝撃の発言が飛び出したのは、7月25日の記者会見でのことだった。 【画像】す、すごい!… エジプトの海岸には人、人、人…! 「極端な高温が蔓延(まんえん)し、世界各地で気温50℃にも達する危険な熱波が起きています。推定される死者は年間50万人です。労働人口の7割以上にあたる24億人が、猛暑の危険にさらされています」 グテーレス氏が危惧(きぐ)するのも当然だろう。EUの気象情報機関『コペルニクス気候変動サービス』によると、7月22日の世界平均気温は1940年の観測以来最高を記録。月単位でも今年6月まで、13ヵ月連続で最高を更新し続けている。インドの首都ニューデリーでは今夏、53℃近くにまで上昇した。 「原因は、石炭や石油などの化石燃料への依存です。化石燃料を燃やすと大量の二酸化炭素や窒素酸化物などが発生し、温室効果ガスの濃度が上昇。大気がかつてないほど熱を吸収し、記録的な大雨や洪水、干ばつ、山火事の発生などにより甚大な被害を及ぼしています。人類が、かつて経験したことのない深刻な状況なんです」(全国紙経済部記者) 今回掲載したのは、殺人猛暑の破壊力を象徴するような写真だ。メキシコでは湖がほぼ干上がり、数千匹の魚の死骸で腐臭(ふしゅう)に満ちている。エジプトや中国では、酷暑を避けるために海岸や涼しい地下に人々が殺到。パキスタンの病院は病室が足りず、熱中症などの患者が廊下にまで溢(あふ)れる事態となっているのだ。 気候変動に詳しい、三重大学生物資源学部の立花義裕教授が解説する。 「予測される最悪の事態が、地球規模で現実になっています。とくに昨年から、世界的に気温が加速度的に上昇しているんです。日本も他人事ではない。熱中症など猛暑関連で亡くなる人は、年間約1000人にのぼります」 人類はすぐに温暖化対策に乗り出さないと、存続の危機に瀕(ひん)することになる。 『FRIDAY』2024年8月16日号より
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