日本人には“野望”が足りない? スタートアップ育てる世界的VCの東京ブートキャンプ 応募わずか「2割」
アメリカに比べてまだまだ小さな日本のスタートアップ市場。だが、この10年で資金調達額は10倍となり、ユニコーン企業も7社輩出されたという実績もある。 この点について松本氏は「全体的に非常に盛り上がっている。アメリカの利上げなどを受けて少し落ち込んだが、大きな流れとしては非常に伸びてきている」として、日本のスタートアップ環境を語った。 「スタートアップがどんなビジネスモデルで、社会にどういう価値をもたらすのか、だんだんと世の中に認知され、応援する施策やファンドもどんどん立ち上がってきてエコシステム全体が活性化してきている。今までであれば『起業方法』や『ビジネスの作り方』が全然わからないことがあったと思うが、国が政策を進めたり、今回のように国外から日本に来て支援をしてくれたりと環境が揃ってきている」 そもそもなぜ、日本は国を挙げてスタートアップを応援しているのか? 松本氏は「アメリカでは、かつてスタートアップであったGAFAも少し前まではベンチャーだったがいまや国の経済を活性化しており、将来の雇用・所得・財政を支える新たな担い手になっている。とはいえ、何もサポートしなければスタートアップが作った斬新なサービスも大企業にマネをされて潰されてしまう。そのため、フランスでもニューヨークでも政策的にスタートアップを支援し、活性化させているのだ」と説明した。 松本氏は「東大生の進路にも変化が起こっている」と指摘する。 「昔は一番優秀な学生はトラディショナルな大企業に就職していたが、最近はトップの学生は起業し、次に優秀な学生はスタートアップを選び、そうではない学生が大企業に行くという順序になってきている。シリコンバレーでは起業する人がトップであり『GAFAに行く』となっても、『起業する準備がまだできてないのね』と見られる。日本もどんどん変わってきている」 最後に松本氏は「日本のスタートアップをさらに伸ばすためにはマインドと仕組みの両輪が必要だ」と強調した。 「起業する意味はなんだ、社会的にどんな価値を生み出すのか、といった『やるぞ』というマインドと、国などが仕組みを作っていく両輪が大切だ。この両方が合わされば大きなユニコーンのようなスタートアップが生まれてくるはずだ。起業を志す人は先人などから積極的に情報を取りにいったり、成功と失敗のポイントは何なのかを吸収して学びながら成長すると、筋肉がついていく。ビジョンで共感し合える仲間も集めてほしい」 (『ABEMAヒルズ』より)