采配に焦り?!なぜ阪神の矢野監督は佐藤、サンズ、中野を3人同時に先発から外したのか…今日にも首位陥落危機
関西のスポーツメディアの報道によると、矢野監督は、大幅な打線入れ替えの狙いをこう説明したという。 「疲れもあるし、これから先のことを考えて、いろんなパターンも考えながらやったこと」 「(佐藤と中野は)1年間プロでやるのも初めて。疲れてくるのも当たり前。その中でいったんベンチから試合を見るとか離れてみるということで違うものが出てくれたら」 コメントの中に「疲れ」という言葉が散在した。 サンズは2試合ヒットがなく6月30日のヤクルト戦では3三振と調子を落とし、佐藤も、3試合11打席ヒットがなく、本塁打は6月23日の中日戦以来出ていない。中野も6試合音無しの“ミニスランプ”である。つまり矢野監督は、その理由を「疲れ」と判断して、先を見据えて「積極的休養」を取らせたのである。 だが、高代氏は、この采配に疑問を抱く。 「相手は1勝したばかりの2年目左腕の玉村。やはり打線にサンズ、佐藤という一発のある打者が並んだ方が警戒心というプレッシャーを与えて制球ミスなどを誘引しやすい。広島の小園、林の三遊間の守備力には不安もあるし、足のある中野がゴロを転がせば面白い。なのになぜ使わないのかなという疑問が浮かんだ。チームの内部のことはわからないので、ひょっとすると深刻な故障などがあり入れ替えをせざるを得なかったのかもしれないが、一気に複数の人数を入れ替える起用は、いかがなものかと思った。確かに私の新人時代を振り返っても大学、社会人時代とは比べものにならない疲労に襲われ調子を落としたことがある。ただ今年は五輪による中断期間があるため、この試合を含めて残り12試合である。そこを越えれば、たっぷりとリフレッシュ休養が取れるのだ。おそらく本人たちは“出たい”という気持ちが強いんだと思う。明日の試合は、どうするかわからないが、1試合休んだくらいで疲労は変わらない。彼らをレギュラーに定着させたいのであれば、疲れというものにどう対処するかも重要な経験となる」 高代氏が指摘するように今季のペナントレースは、五輪期間を見据えて7月15日から中断となる。佐藤らは球宴に選ばれているが、再開は8月13日。4カードがんばればリフレッシュの時間がたっぷりと取れるのだ。今、このタイミングで「積極的休養」を取らせる必要があったのだろうか。 虎はこの7試合で1勝5敗1分けと調子を落とし、最大8ゲーム差をつけていた巨人とは、ついに1.5差となった。 高代氏は、「広島が勝ち切れていないチームであり、左腕の玉村だったからできた起用だったのかもしれないが、この交代は先を見据えた戦略や余裕ではなく、巨人を意識したベンチの焦りに見える。終わってみれば、この試合が分岐点だったなということになる危険性がある。長いシーズンを見れば必ずチーム状態に波は来るもの。そこでどう対応するかにベンチのマネジメント能力が試されるのだが、方向性が違っているように思えてならない」と厳しい指摘をした。