<映画評>姉妹の愛情の深さに心温まる『アナと雪の女王』
この週末を利用して、劇場へ鑑賞に出かけた。噂はかねがね耳にしていたが、一言で言えば、評判通りの作品だと思う。映像の美しさ、ストーリーの分かりやすさ、そして素晴らしい音楽。どちらかというと、ミュージカルは得意な方ではないが、この作品で流れてくる音楽は、どれも映像との親和性が極めて高く、胸に響いてくる名作。 王家に暮らす姉・エルサと妹・アナ。2人は、とても仲の良い姉妹だった。しかし、触った物を氷に変えてしまう魔力を持ったエルサは、その力をコントロールできなくなり、アナを避けて暮らすようになる。それから長い年月を経て、王位継承したエルサは、民衆の前でその魔力を隠しきれなくなり、街を捨て1人、山へ閉じこもってしまう。エルサの秘密を知ったアナは、エルサを助けるため、雪山へ向かうのだが……。 2014年のアカデミー歌曲賞を受賞したのは、劇中でエルサが歌う「Let it go」。エルサの孤独さ、そして1人で生きていくことを決意した力強さが、この曲に表現され尽くしている。本作品の前半のクライマックスと言えるだろう。 一方で、印象に残っているシーンがある。エルサとアナが仲良く遊んでいた頃、そして、アナがいつまでも、無邪気にエルサを遊びへと誘うシーンで歌われる「Do you want to build a snowman?(雪だるまつくろう)」だ。アナの純粋さ、そして思いが通じぬ切なさが表現され、思わず胸が詰まりそうになる。 超満員だった映画館。エンドロールが流れている間、席を立つ人はほとんどいなかった。作品の余韻に浸ると同時に、もう一度、「あの音楽を聞きたい」、と考えたのだろうか。子供から大人まで、性別を問わず楽しめる作品だ。 「let it go」 「予告編」 ■公開情報 『アナと雪の女王』 (C)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved. 2014年3月14日(金) 2D・3Dロードショー